「読解力」とは辞書をひくと、文章を読んで理解する能力とあります。
しかし、現実社会では、相手が言いたいことを解釈する能力とされます。言いたいこととは、言葉として発したことと、言語化されていないが言わんとしていることも含まれます。
つまり正確に、見ることと聞くことが必要になります。人間は本来、脳で見たり聞いたりしています。つまり、見たいものを見て、聞きたいものを選んでいます。
読解力は相手が言いたいことを理解する力
人間の脳は、意識をしていないと、見たいものだけを見て、聞きたい音だけを聞いています。
ですので、半年も前に建った道路脇の看板にある日、気づくのです。ある日、いつもの道路脇で建物の解体工事をしていても、以前の建物が何屋さんだったか覚えていないのです。
ですから、意識を維持しつつ、相手からのメールや相手との電話内容を確認しなければ、見落としや聞き漏らしが多発して、読解力どころではなくなってしまいます。
読解力は大事なスキル|ないとどうなるか
相手の言いたいことを理解して素晴らしい仕事の成果を上げている人もいます。しかし残念なことに、相手からの文章について正確に読み取ることができていない人も少なくありません。
コロナ禍のテレワークでは、若い世代の社員に限らず、中堅やベテラン社員の中にも読解力不足の社員がいることが明白になってしまいました。
読解力がないことでは、3年おきに実施(コロナで延期)されているPISA(国際学力テスト)の結果によって、15歳の子供の読解力の低下していることが話題になります。しかし、低下しているのは、子どもに限らないことは、ニュースになりませんが、周知の事実です。
約40%〜50%の人が本を読まないのですから、社会人の読解力の低下は大きな問題です。実は日本の本を読まない人の割合は、世界の先進諸国の中ではトップクラスに高いのです。
社会人に読解力がない人が多いことは、各企業において一つのボトルネックにもなっています。自分の読解力に不安がある人は、読解力テストを個人的に受けてみるのもありです。
読解力がない事が周りの人に知られるだけではなく、仕事にも影響が出る時代になっています。それはテレワークが進み、仕事を進める上で、文章力の重要性が増してきたからです。社内の連絡はもちろん、社外に対してもメールで連絡を取る事が当たり前の時代になりました。
顔を見て口頭で話せばなんとか熱意で誤魔化せてきた人たちは、文章を書いて相手に伝えたいことをわかりやすく伝えることがうまくできずに四苦八苦しています。そもそも読解力がなければ、文章力もないのが当たり前です。読解力は社会人が働く上での基本となる能力です。
まず文章から正確に読み取る
読解力がないことの原因の一つには、本を読む習慣がなく、言葉を知らないということがあり得ると思います。
まずは、文章を正確に読むことをしていかないと、とてもまずいことになります。
わからない言葉があったら、スルーしてしまわずに、調べて理解することです。
わからない言葉があるということは、語彙力不足です。また意味はきちんと理解していないが、よく聞く言葉なので、分かったつもりになっている場合もあります。また、思い込みで間違えたまま覚えていることもあり得ます。
読解力がないと評価をされてしまう原因には、こうしたこともあり得ます。
読解力がある人の特徴
読解力があるかどうかは社会人に限らず大きな問題です。
しかし社会人の場合、毎日の仕事に影響することなので、大きな問題です。上司から指示を受けた通りに仕事をしたはずなのに、「指示したのはそういうことではない」などと言われてしまった経験があるはずです。
また読解力を才能だと勘違いしている人がいますが、生まれつき読解力が高いという人はいません。読解力は後天的能力だからです。読解力がある人の特徴の一つは、自分の言葉で言い換えができることです。
文章や相手が言ったことをきちんと理解しているので、場面に応じた分かりやすい言葉に言い換えることができるのが特徴です。
読解力が高い人
読解力とは、文章だけではなく相手が言っていることをよく理解できるという能力です。
OECDのPIASAC(国際成人力調査)によれば、仕事の熟練度と読解力に相関関係があることが分かったとされています。
つまり読解力が高い人は仕事もできるということです。原因として考えられることは、読解力が高い人ほど、相手から仕事の依頼があったとき、資料やメールを読んで、仕事の内容をよく理解して、仕事を遂行することができるからでしょう。
読解力と理解力の違い
読解力と理解力、よく似ています。読解力とは一般に文章を読んで理解する能力とされますが、もう少し踏み込むと文章とは相手(誰かが)が書いた文章を読んで理解する能力と相手が口頭で発した文章を理解する能力でもあります。
対して、理解力の方は、「相手」「誰か」の存在がありません。単純に様々な物事の道理や仕組みを理解していいるかどうかを表すものです。
読解力の低下はなぜ起きているのか
読解力の低下が問題視されるようになったのは、OECDのPISA(国際学習到達度調査)がきっかけです。
2018年のPISAでは読解リテラシーの順位が前回と比べて、大きく下がってしまったことをがきっかけになりました。
原因は複合的である可能性がありますが、一つには読書をしないことがあります。一般に知られていない可能性がありますが、日本人の読書頻度は先進諸国の中では最下位に近い位置にあります。
マンガは読むが活字は読まないのです。スマホやSNSの影響が時に取り上げられていますが、それは諸外国も同条件であり、日本だけだけ普及が進んでいるわけではありません。
まとめ
読解力とは、文章を読んで理解する能力ですが、仕事をしている社会人としては、相手が言いたいことを読み取り理解するレベルが求められます。
まずは、文章を正確に読み取るところから始めましょう。もしも読解力不足のままでは、これからのテレワークの時代において、文章を正確に読めない人材には、厳しすぎる時代になります。
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