精読とは?言葉の意味や同義語|精読の効果

精読

精読とは、その名の通り、一文字ずつ丁寧に読んでいくことであります。本や文章の読み方としては正統な感じがしますが、勉強のために、今の自分にとって重要な本の読書量を増やしたいときには合わない可能性があります。

逆に、小説など文章表現から細かな描写を味わい時などには、最初から精読や熟読が最適な読み方になります。

精読の言葉の意味と効果をあらためて確認することで、状況に応じた読み方の一つとして活用できるようになります。

目次

精読とは?言葉の意味や同義語・違いと精読の効果

精読 (1)

精読(せいどく)とは、何を意味する言葉か。

辞書では、「細かいところまで、丁寧に読むこと」とされています。

精読の同義語・類義語は|熟読との違いは

精読の同義語(同じ意味で別の言い方)のように思われる言葉に、「熟読(じゅくどく)」がありますが、実際に同じ意味ではありませんので同義語といいより、類義語(意味が似ている語)の一つと言えます。

精読と熟読の違いは

精読するとは、理解できるように、細かいところで、丁寧に注意して読むことです。

熟読は、細かいところまで理解と共に読み取り、深く考えながら読みこなしたとき、に使う言葉です。

精読と熟読は、じっくりと読むという部分では似ていますが、精読が丁寧に読むことに軸が置かれているのに対して、熟読では理解しながら考えながら、読んでいくことに軸があります。理解度の深度は熟読の方がより深いということになります。

精読の対義語は

また反対の意味を表す対義語としては、通読・乱読があります。

通読(つうどく)は、最初から最後まで読み通すことです。内容について、理解を深めながら、丁寧に読むのではなく、とにかく一通り読み通すこと、全体をざっと読むという意味になります。

乱読(乱読)は、手当たり次第に、読んで、面白い部分・気になる部分があれば目を止めて読む、という読み方です。

どちらも、精読に対して、印象が良くない感じがする読み方ですが、乱読をすすめる読書家や学者は意外に多いです。

精読の方法・やり方

精読する方法は、細かいとこまでを丁寧に読み込むことになります。

ですので具体的なやり方としては、単語の意味の理解は当然ですが、文章の構造までを確認し、代名詞が何を指していて、接続詞の前後関係を確認しつつ、作者の要旨に沿って、文章を要約するほどの段階まで読むことになります。

ですので、日常的に本を読んだりする場面ではなく、日本語や英語で書かれた文章から、試験問題を解答するような場面にこそ、精読の方法や効果が活かされます。

精読の効果とデメリット

精読は、熟読ほどでないにしても、細かい部分まで読み込みますので、理解度は深くなりますので、脳への定着度は一時的に高くなります。

精読の効果は、まさにこのポイントにあります。

ただし、同時にデメリットにもなります。

それは、読書スピードが遅いということです。

精読するのは通読や乱読の後でするとデメリットでなくなる

ページ数が多いビジネス書などでは、平均10万〜12万文字ほどあります。

初めて読む本を読書スピードの遅い精読や熟読の読み方で読んでいくと、もし日にちがかかってしまって読んでいるようだと、数日前に読んだ部分の内容を忘れてしまう可能性があります。

そこでお勧めする精読する方法は、乱読した後や、目次から重要箇所を拾い読みした後で、精読する価値を見出した場合などに、精読や熟読をするのです。

特にスキルアップのためにビジネス書を読む場合などは、最初から、精読や熟読をするのではなく、選んだ本がスキルアップに有効なのかを乱読で確認してから、精読や熟読に進むべきでしょう。

現在の自分のスキルレベルとあっていない本を読むのは、高くても低くても、ロスになるだけだからです。

精読と速読の違いは

精読は読書スピードが遅いことから、早く読む方法に関心を持つのは、自然なことです。

早く読む方法として、名前の通り「速読」という方法があります。

精読が読書スピードが遅いのは、口では発声していませんが、細かい部分まで丁寧に読むために脳内で、一語一句ずつ発声しているからです。これが読書スピードが遅くなる原因です。

本来、黙読の読書スピードが速いのは、脳内音読をせずに、読んでいるからです。それは、速読の基本にもなります。

具体的には、速読では文章を読んでいくときに、一文字読むのではなく単語や文節としての一つのブロックのようにして読んでいくことです。普段から読書量が多く、黙読している方は、自然にその方法で、読書量を増やしている可能性があります。

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また、単語や文節のブロックのように捉えていくという方法は、実際には無意識に日常生活で誰もが行なっている方法でもあります。広告の見慣れた文字が並んでいるチラシ等や新聞やニュースの見出しなどでも、読むというよりも、瞬間的に捉えているはずです。

人は、読み慣れていない文字の場合は、一文字ずつ読み込みますが、よく目にする単語や文節は、文字というより映像に近い感覚で、瞬時に読み取っています。

速読はその方法を読書に活用するのであり、特別な技術を使うわけではありません。慣れてくると、かなりのハイスピードで読み込むことができるようになります。

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まとめ

本や文章を読む際の読み方の一つである精読は、細かいところまで丁寧に読む方法です。熟読ほどでないにしても、読解力を高める効果がある読み方です。

その効果の代わりに、読書スピードを落としてしまいます。初めて読む本に対しては、通読や乱読をして、重要性が把握できてから精読や熟読を行う方が、無駄がなくなります。

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この記事を書いた人

社会人経験約40年。仕事において強い必要性があり読書に目覚め、その後年収も急上昇。上場企業にキャリア入社し、50代に入り独立起業し会社経営。自分自身の読書に救われた経験から、読書によって人生が変わることを伝えたい。

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