おすすめのビジネス書は新刊ではなく、古典の中にこそ見つかります。
仕事に役立てようとか、社会人として勉強しておこうと思うなら必要な場面になってからではなく、必要な場面になる前に読んでおくと、現実にその場面が再現されたときに、事前にまるで予習をしていたかのように、役立ちます。
ビジネス書は古典の中におすすめがある|20代30代40代へ
総務省統計局の出版数データによれば、毎年7万冊以上の書籍が出版されています。このうちビジネス書の範囲に含まれるのが、社会科学・自然科学・工業・産業と考えますと、毎年約25,000〜30,000の本が出版されていることになります。
この中から役立つビジネス書として、翌年も販売されていくものはごくわずかです。
数あるビジネス書の中に役立つ本は限定されます。過去の思考や研究を複合的に組み合わせて、新たな発見をしている興味深い本もあります。しかし一方には、過去の古典の中からまるごと応用したかのような本まであるからです。
つまり古典の中にこそ、原点となる思考や研究を見つけることができるのです。
おすすめビジネス書の半分以上は数年前の本
ネットの記事には、最新版として[おすすめビジネス書]としてランキングが紹介されているページがあります。しかし紹介されている書籍の半分以上は数年前の古い書籍が多いです。
出版業界では、発行日から3ヶ月半までの本を[新刊]と呼びます。もちろん新刊の中にも良い書籍はあるはずですが、勉強のためにビジネス書を選ぶなら、あえて新刊である必要はないかも知れません。
ビジネス書の古典とは何年前
書店に行って販売されている書籍は、数十年前の書籍は普通に並んでいます。
例えば、ピータードラッカーの「マネジメント」(もしドラで一時有名に)は1973年の出版です。上席ビジネスマンや経営者がよく読んでいる「ビジョナリーカンパニー」は1994年の出版です。
また、競合が沢山いるマーケットをレッドオーシャンといいますが、語源は2004年に出版されている「ブルーオーシャン戦略」にあります。
営業マンや小売り販売に大きな影響を与えた顧客の行動心理に関する「影響力の武器」は1991年の出版です。
さらに「7つの習慣」は1989年、デールカーネギーの「人を動かす」は1936年です。
また、営業の原点の書とも思えるフランクベトガーの「私はどうして販売外交に成功したか」は1964年の出版です。
自己啓発本の原点とも言える「原因と結果の法則」の出版は1903年です。
いずれもビジネスマンなら、名前くらいは聞いたことがあるはずの古典です。
ビジネス書として古典が読まれる理由
新しい技術やツールに関すること以外では、古典的ビジネス書が数十年後の現代に通用します。
古典が読まれる理由は、現代においても役立つからであり、ビジネスの仕組みや人間に関するビジネス書の新刊は、焼き直しやキュレーション(情報を集めて整理したもの)がほとんどだからです。
それは古典を数冊読んで、新刊のビジネス書を読むとすぐに分かってしまうレベルです。つまり、古典といわれる書籍のレベルが非常に高いということです。
また、人間に関する事(マネジメント・働くこと・営業)については、現代の新刊と、あまり変わりがありません。つまり、少なくとも過去50年から100年ほどの間、人間は進化していないのかも知れません。
そして、現代において新刊で出版される本は、数十年前に出版された古典をベースに書かれているものが多いと感じます。
ビジネス書の古典名著|30代
社会人としての成長の節目ともいえる30代には、是非良いビジネス書を読んでおきたいものです。40代以降の成長の方向性は30代でどんなビジネス書に出会ったのかによります。本との出会いは、人との出会いとも似ています。30代にたくさんの名著や古典に出会うか否かによって、40代以降の人生は変わるといっても良いでしょう。
リーダーやマネージャーとしての役目を担うになるのも30代が多いでしょう。もしかすると起業を計画し始めているかもしれません。読むべき本は以下の通り紹介します。
チームのマネジメントをする立場になる前に読むべき「マネジメント」
マネージャーとは単なる労務管理者ではありません。チームを使うことで成果を上げる仕組みを作ることです。日本では管理職という言葉があるように、行動管理や労務管理をする人のような誤解をしている人がいます。マネジメントを説いたドラッカーはチームによって成果をだすことを仕組み化することとしています。
部長になる前に読む本「ビジョナリーカンパニー」1と2
課長はチームの成果を考える人です。部長は組織全体の成果を考える人です。会社をどうすればもっといい組織に出来るのか、長く続く組織に出来るのかを、社長と共に考えていかねばなりません。
ブルーオーシャンはマーケットだけではない「ブルーオーシャン戦略」
ブルーオーシャンとは競合のないマーケットのことです。レッドオーシャンで成果を得たとしても、苦労ばかり多くて利益がない。レッドオーシャンは財力がある大手しか生き残れません。競合がないニッチなマーケットでも需要があるなら、生き残りが出来るというわけです。これは企業やお店だけではなく人材にも言えることです。ニッチな魅力を持つ人材(求める需要がなければなりません)になる事で、高年収好条件で採用される事になります。
人間の行動がいかに合理的ではなく感情や感覚に支配されているのか教えてくれる「影響力の武器」
人がモノを買うときや選ぶときは、損得や合理性で選ぶ人が多い印象があります。しかし実際は、感情や感覚など心理的要素にアプローチすることで、高いはずのものが売れていくのです。
ビジネス書の古典名著|40代
40代はすでに管理職やリーダーとしての役割をにない成長に邁進している人や、成長の方向性が見いだせず苦悩している人が多い年代かもしれません。あるいは管理職を任命されたのにリーダーとして、マネージャーとして力を発揮できずに苦労しているかもしれません。
持って生まれたカリスマ性でもない限りは、本を読んで実践し、勉強を重ねるのがおすすめする方法です。苦悩や苦労をしているのは、リーダーになる準備(勉強)をしてこなかったことが原因です。課長や部長に任命されたからといって急にその仕事ができるようになるわけではありません。本を読んで勉強することが必須です。
人として7つの習慣を身に付けることで人格が磨かれていく「7つの習慣」
人として、まず人格を磨くことを始めようとしています。人間の内面を磨くことが長期的な成功につながるものとしています。この手のボリュームがあるビジネス書を読むときには、いちいち立ち止まって言葉の意味を調べて理解するよりも、素読をおすすめします。繰り返しましょう。立ち止まっていては7つ目の習慣まで到着できません。
一つ目の習慣の「主体的である」ことさえも、自分が普段いかに動物的に、反射的に生きているのかに気づかされます。
どんな人間にも自己肯定感がある「人を動かす」
上司が部下に接する場面、部下が上司に接する場面、同僚同士や顧客と接するときなど、相手がどんな人間に見えようとその人の心の中には自己肯定感があるものです。その事を気づかせるエピソードが書かれています。
1分で話せ
ビジネスの場では、部下が上司に報告する場面や上司が部下に指示やアドバイスをするときにも、簡潔に要約して話すことが基本です。本書のタイトル通り、重要なことを1分間で話すことができるかできないかが、とても重要です。優秀と言われる人に要領を得ない話し方でだらだらと話す人はいません。
ビジネス書の古典名著|20代
20代の社会人は覚えるべきこと、知るべきことがたくさんあります。本を読んで準備をしないで社会に出てしまうと、様々な壁にぶつかり、自分自身の無知に驚き悲観してしまうかもしれません。あるいは、なぜ自分だけという思考で上司や先輩を恨んでしまうかもしれません。しかし元はと言えば、全ては自分の不勉強が原因なのです。
夢をかなえるゾウ
シリーズの最初の本が2007年に出版されています。古典というには少し早いかもしれませんが、おすすめする本です。今の自分の状態によって得られることや感じることに違いがあるかもしれません。社会に出て数ヶ月か数年という人には、本書の内容はリアルに感じられるかもしれません。ある意味、みんなの通過点なのだと思います。本を読んで手がかりを感じ、現実に実践してみて、自分の成長に活かせるかどうかが分かれ道になるのです。
40年前の営業も今と変わらない「私はどうして販売外交に成功したか」
初版から数えると約60年もの年月が過ぎています。本を読まない社員にダメ元でプレゼントしたところ、付箋だらけにして「スゴいです」「勉強になる事ばかり」と言われ、逆に驚いた記憶があります。営業の基本は何十年経っても変わらないことを実感したものです。
まとめ
おすすめのビジネス書は古典の中にあります。50年も60年も前に出版されたビジネス書が今日のビジネスにも役に立つことは不思議な気もします。しかし古典からの学びから今日明日の仕事に生かせることがたくさんあるのです。
また各年代によって状態や環境に違いがありますが、もしこれまでに読んでこなかったのであれば、前の年代の分も読むべきです。20代には微差であったはずなのに、30代40代50代へと進むにつれて、知っているか知らないかの差は大差になって、仕事や人生に影響をするようになります。
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