「要点をまとめる」「要約する」など、学生の頃に苦手だった人も多いかも知れません。
単語や言葉を回答する記述式の問題は得意だが、文章で答える論述式の問題は苦手という日本人は多いです。
ただ社会人になると、毎日のように「要点をまとめる」「要約する」ことが必要になります。書類で書く事もありますし、上司への回答や部下への指示でも要点が明確でなければ伝わりません。
要点とは何か?要点をまとめるとは何をすることか
一般的に要点と言えば、「物事の大事な箇所」と言う意味になります。実際に「要点」という言葉を使う場面はかなり広範囲にあります。そして使われる場面によって、「要点」が指している言葉の意味は、ニュアンスに少し違いがあります。
要点の意味を再確認して、良くいわれる「要点をまとめる」ことについても理解しましょう。
要点とは?わかりやすく言えば
要点とは、与えられた情報や議論の中で、最も重要なポイントや要素のことです。
要点は、情報の核心部分や主要な内容を示し、他の細かい部分や補足情報から区別する役割を果たします。要点を把握することで、情報を簡潔にまとめたり、重要な内容を的確に伝えたりすることができます。
つまり、要点とは情報の「肝心な部分」や「核心」のことと言えます。
要点の意味・類語・言い換え・使い方
【意味】
要点とは、与えられた情報や議論の中で、最も重要なポイントや要素を指します。要点は情報の核心部分や主要な内容を示し、他の細かい部分や補足情報から区別する役割を果たします。
【類語】
要旨、要素、核心、キーポイント、重点、要約、要件、要素、中心、焦点、核、骨子、要諦、要約、要旨、概要
【言い換え】
- 肝心な点
- 主要なポイント
- 中心的な要素
- 重要な焦点
【使い方】
- 会議の議事録を作成する際には、要点をまとめて記述することが重要です。
- プレゼンテーションでは、聴衆に響く要点を的確に伝えることが求められます。
- 教材やレポートを作成する際には、情報の要点を明確に整理することが必要です。
- 討論やディスカッションでは、参加者がそれぞれの意見の要点を述べることで、議論が進展します。
- 読書や学習の際には、本文の要点を把握することで効率的な理解が可能となります。
要点は情報を整理し、重要な内容を強調するために使われる重要な概念です。適切に要点を把握し、効果的に活用することで、コミュニケーションや知識の獲得に役立てることができます。
要点とは?例を示すなら
以下に要点の例をいくつか挙げます。
1)ニュース記事の要点例:
- タイトル:「新型コロナウイルス感染者数が急増、ロックダウンの可能性も」
- 要点:新型コロナウイルスの感染者数が急増し、ロックダウンの導入が検討されている。
2)プレゼンテーションの要点例:
- テーマ:「新製品の市場投入戦略」
- 要点:市場投入時期、ターゲット顧客、競合分析、価格戦略、プロモーション手法など、新製品の市場投入に関わる要素を重点的に説明する。
3)学術論文の要点例:
- 論文タイトル:「環境保護政策の経済的効果に関する研究」
- 要点:環境保護政策の導入が経済へ与える影響について、効果の大きさや費用対効果などを調査し、具体的な結果を提案する。
4)読書の要点例:
- 書籍タイトル:「リーダーシップの本質」
- 要点:リーダーシップの本質的な要素について解説し、ビジョンの設定、チームビルディング、コミュニケーション能力などを重要なポイントとして述べる。
要点は、情報や議論の中で最も重要なポイントや要素を示すものです。具体的な例を挙げることで、要点がどのように文脈に応じて使われるかを理解することができます。
要点とは:書き方のポイント
要点を明確かつ効果的に書くためには、以下のような書き方のポイントに注意すると良いでしょう:
- 簡潔さを追求する: 要点は短く、明瞭に表現することが重要です。冗長な表現や余分な詳細は避け、要点を的確にまとめます。
- 主要な情報に焦点を当てる: 要点を書く際には、情報の中で最も重要なポイントに焦点を当てましょう。他の細かい部分や補足情報は省略し、肝心な内容に絞ります。
- キーワードを活用する: キーワードやフレーズを使用することで、要点を強調しやすくなります。キーワードは読者に対して要点を明確に伝える手段となります。
- 関連性を示す: 要点を書く際には、関連する情報を示すことで論理的なつながりを持たせます。主要な要素やトピックを明確にし、それらの関係性を示すことで要点をより明確に伝えることができます。
- 組織化する: 要点をまとめる際には、整理された構造を持たせると効果的です。箇条書きや段落ごとに要点をまとめ、情報を整理します。
- 文脈に合わせる: 要点を書く際には、文脈に適した表現を使用します。学術的な文書やビジネスプレゼンテーションなど、対象読者や目的に合わせた表現を選ぶことが重要です。
例:
テーマ:「ビジネス戦略の要点」
要点:
- ターゲット市場の明確な定義と理解
- 競合分析と競争上の優位性の特定
- 顧客ニーズへの適切な対応と提供価値の強化
- 収益性と成長のための戦略的な重点領域の選択
- リソースの最適化と適切な予算割り当て
要点を明確にまとめるためには、具体的な情報や具体例を使うことが効果的です。要点が明瞭で簡潔に伝わるように
意識しましょう。
要点と要約・要旨・重点・ポイントの違い
要点、要約、要旨、重点、ポイントは、いずれも情報を簡潔にまとめるために使用される概念ですが、それぞれに微妙な違いがあります。
要点(ようてん):与えられた情報や議論の中で、最も重要なポイントや要素を指します。要点は情報の核心部分や主要な内容を示し、他の細かい部分や補足情報から区別します。
要約(ようやく):ある文章や情報を短くまとめる行為や結果を指します。要約では、元の情報を要点を抽出して簡潔にまとめます。要約は原文の意図や主要な内容を伝えることに重点を置きます。
要旨(ようし):文章や講演の主要なポイントや内容を簡潔にまとめたものを指します。要旨は、元の情報の要点や主題を把握し、要約して伝えることに焦点を当てます。要旨は、主要な情報を要約し、核心的な内容を伝えることを目的とします。
重点(じゅうてん):情報や議論の中で特に重要なポイントや要素を指します。重点は、他の部分よりも特に注意すべきであり、強調されるべきポイントを意味します。
ポイント:ある話題やテーマにおいて特に重要な要素やポイントを指します。ポイントは、特定の情報や意見、指示、アドバイスなどを示す際に使用されます。
これらの用語は、情報を簡潔にまとめるための手法やコンセプトを指すものであり、文脈によって微妙な違いがある場合もあります。要点は情報の核心部分や主要な内容を示し、要約や要旨はその要点を簡潔にまとめたものと言えます。重点やポイントは特に注目すべき重要な要素やポイントを指します。
要点をまとめるとは何をすることか
要点をまとめるとは、与えられた情報や議論の中から、最も重要なポイントや要素を取り出し、簡潔かつ明確にまとめることです。要点をまとめることによって、情報を整理し、重要な内容を的確に伝えることができます。
要点をまとめるためには、以下の手順が役立ちます:
- 情報の把握: まずは与えられた情報を全体的に把握します。情報の範囲や内容、関連する要素を理解することが重要です。
- 主要な要素の特定: 情報の中から、特に重要な要素やポイントを特定します。これには主題文や見出し、キーワードなどを活用することができます。
- 要素の整理: 特定した要素やポイントを整理し、関連性のあるもの同士をグループ化します。これによって情報の構造や論理的なつながりを明確にします。
- 要点の抽出: 整理された情報から、最も重要なポイントや要素を抽出します。重要度や影響力、関連性などを考慮して、要点を選びます。
- 要点の言葉づかい: 抽出した要点を、簡潔かつ明確な言葉で表現します。冗長な表現や不要な詳細を省き、要点を的確に伝えるようにします。
要点をまとめることは、情報を整理し、重要な内容を強調するための重要なスキルです。要点を的確にまとめることで、情報の伝達や共有が円滑になり、効果的なコミュニケーションが可能となります。
要点をまとめるのが苦手な方は注目
要点をまとめることが苦手な場合、以下のアプローチやポイントに注目すると役立つかもしれません:
- 積極的な要約の練習: 読んだり学んだりする際に、意識的に要点をまとめる練習を行いましょう。記事や本を読んだ後に、自分の言葉で要点を要約してみることで、要点の特定と表現力の向上につながります。
- メモやアウトラインの活用: 情報を整理するためにメモやアウトラインを活用しましょう。重要なキーワードやフレーズをメモし、それらを整理して要点をまとめると効果的です。
- 文章構造の把握: 文章やテキストの構造を理解することで、要点を把握しやすくなります。主題文や段落の冒頭、見出しの意味などに注目し、情報のフローと関連性を把握しましょう。
- 重要キーワードの特定: 文章やテキスト中の重要なキーワードを見つけ出し、それらに注目します。キーワードは要点や核心を示す手がかりとなります。これらのキーワードを要約に組み込むことで、要点を明確にまとめることができます。
- 要点の整理と順序付け: 情報を整理し、関連性や重要度に基づいて要点を順序付けすることも重要です。これによって要点が論理的かつ整合性のあるまとまりとして表現されます。
- 練習とフィードバックの受け入れ: 要点をまとめるスキルは練習を重ねることで向上します。定期的に要点まとめの練習を行い、他人からのフィードバックを受け入れることで成長することができます。
要点をまとめるスキルは習得に時間と練習が必要です。焦らずにコツコツと続け、自分なりのアプローチやテクニックを見つけていきましょう。また、要点まとめが苦手な場合は、必要な情報を把握するために質問をすることも有効です。他人の意見や解釈を参考にしながら、自身の要点まとめのスキルを向上させていきましょう。
要点をまとめる訓練で要約力が高まる
その通りです。要点をまとめる訓練は、要約力を高めるのに役立ちます。要点を抽出し、簡潔にまとめる訓練を通じて、情報を効果的に要約するスキルが向上します。
要約力の高まりには以下のような利点があります:
- 要点の抽出能力の向上: 要点をまとめる訓練を行うことで、与えられた情報から重要なポイントを素早く見つけ出す能力が高まります。主題や核心を把握し、必要な情報を選別するスキルが向上します。
- 論理的思考の養成: 要点をまとめる訓練は、情報を整理し、関連性や論理的なつながりを把握する能力を養います。要点を的確に把握し、それらを組み合わせて要約することで、論理的思考力が向上します。
- 表現力の向上: 要点をまとめる訓練は、情報を簡潔に伝える能力を鍛えます。要約は言葉遣いや表現方法を工夫することが求められますので、適切な表現を選ぶスキルや文章の要点を捉える能力が向上します。
- 情報の効率的な処理: 要点をまとめる訓練によって、情報を効率的に処理する能力が向上します。多くの情報を素早く理解し、重要な要素を抽出することで、時間と労力を節約できます。
要約力を高めるためには、定期的な訓練と実践が重要です。読書や記事の要約、自分で書いた文章の要点まとめなど、さまざまな練習を通じて要約力を向上させましょう。また、他人からのフィードバックを受け入れることも成長に役立つでしょう。
要点を絞るコツは段落に注目
要点を絞る上で、段落に注目することは非常に重要です。段落は文章の論理的なまとまりを示すため、要点を見つける上での手がかりとなります。以下に、段落に注目して要点を絞るためのコツをいくつか紹介します:
- 段落の先頭文をチェックする: 段落の先頭文は、その段落の要点や主題を示すことがあります。要点を絞る際には、各段落の先頭文をチェックして、主要なアイデアを把握しましょう。
- 段落内のキーワードを探す: 段落内には重要なキーワードやフレーズが含まれることがよくあります。これらのキーワードを探し、要点と関連づけることで、要点を特定しやすくなります。
- 段落の要約文を作成する: 各段落には、要約文を作成することで要点を明確化することができます。段落全体を要約して、その要約文に集約される重要なポイントや情報を把握しましょう。
- 段落の論理的なつながりを考慮する: 段落は一連の論理的なつながりを持っています。段落間の論理的な関係を考慮しながら、各段落の要点を把握しましょう。前後の段落との関連性や情報の流れを考えることで、要点を適切に絞り込むことができます。
- 段落の長さと情報量を考える: 段落の長さや情報量も要点の絞り込みに影響を与えます。長い段落には複数の要点が含まれる場合があるため、段落を適切な単位に分割し、各段落ごとに要点を特定することが重要です。
段落に注目することで、文章の論理的な構造や情報の組織が明確になります。要点を絞る際には、段落の役割や関連性を把握し、各段落から重要な要素を抽出することが大切です。
まとめ
要約ができないということは、想像以上に、大きな影響があることです。
要約ができない学生は、要約に関連する問題の点数が取れないです。なかなか大変なことです。しかし最悪の場合、要約関連以外の問題でカバーすることができます。
しかし要約ができない社会人は深刻です。
要約ができないと、上司や部下に伝えたいことを整理して伝えることができます。営業や販売であれば、顧客や取引先に対しても、うまく伝わらないことが原因で成果が上がりにくいです。
時間の経過とともに仕事ができない人というレッテルを貼られてしまいます。社会人にとって、要約力とは読解力・語彙力・文章力と並んで、最も基本となるスキルだからです。
要約ができなくとも、クビになることはありませんが、評価(収入も)が上がることや良い仕事が与えられるチャンスは減少します。それを理不尽に思う人もいるかもしれませんが、基本的にミスが許されないのが社会人の仕事ですので、与えられる仕事はミスをしても損失が発生しにくい仕事になります。
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