「要点をまとめる」「要約する」など、学生の頃に苦手だった人も多いかも知れません。
単語や言葉を回答する記述式の問題は得意だが、文章で答える論述式の問題は苦手という日本人は多いです。
ただ社会人になると、毎日のように「要点をまとめる」「要約する」ことが必要になります。書類で書く事もありますし、上司への回答や部下への指示でも要点が明確でなければ伝わりません。
要点とは何か?要点をまとめるとは何をすることか
一般的に要点と言えば、「物事の大事な箇所」と言う意味になります。実際に「要点」という言葉を使う場面はかなり広範囲にあります。そして使われる場面によって、「要点」が指している言葉の意味は、ニュアンスに少し違いがあります。
要点の意味を再確認して、良くいわれる「要点をまとめる」ことについても理解しましょう。
要点とは?意味から言い換えれば骨組みともいえる
学生であれば、本や文章を要約するときに、要点が分かっている必要があります。
社会人も様々な書類や資料の作成に要点を理解している必要があります。さらに社会人の場合だと、文書以外に、「報告・連絡・相談」といわれる口頭を中心にした情報伝達の場面があります。瞬時に考えるか、常に要点を意識して業務を行なっている必要があります。
いずれも要点の理解が必要な場面です。
要点の意味・類語・言い換え・使い方
辞書によれば、要点の意味とは話や意見・文章の中での重要な点、事柄とされます。各種の辞書を調べましても、ほぼ同様の記述があります。つまり、文書や話の中の重要な点ということです。
また類語・言い換えでは、核心・中心・コア・核・要所・重要な点・ポイント・要領・大事な所・などとなります。類語辞典を調べますと他にも多くの類語・言い換えがあります。自分でも調べてみると、もっと理解しやすい言葉が見つかるかもしれません。参考:weblio類語辞典
具体的な使い方の例は以下の通り
・要点をまとめる
・先週の活動について要点のみ報告してください
・要点が絞れていないから何を言っているのかわからない
・要点が見つからない
・関連情報ばかりで要点がわからない
文章を作る場合なら要点は骨組みや骨子
これから文章を作っていく場面であれば、要点を箇条書きに書いていくことで、文章全体の骨組みが出来上がります。
そうして書かれた箇条書きの要点は、概要であり骨子とも言われます。
言い換えるなら、要点を捉えるということは、本や文章が作成されたときの骨子を探ることもであります。
要点と要約・要旨・重点・ポイントの違い
辞書でわかる意味を簡潔に紹介すると以下のようになります。
要点は、物事や考え・経験の中で、最も不可欠で重要な部分、という意味です。
要旨は、意図する考え・言いたいこと・中心となる概要、という意味です。
要約は、大まかに、あるいは体系化するなどしてまとめた主要なもの、という意味になります。
重点は、特に力を注ぐ重要な所、という意味です。
ポイントは、最も汎用性が高く、この場合はほぼ要点と同義になります。
いずれもよく似た意味を持っています。ただし、本や文章をまとめたり、社会人が報告書を書いたり口頭で答えたりする場面で考えると、以下のように考えると整理しやすいと思います。
要点は、要旨(作者・発信者が最も言いたいこと)に沿ってある重要なポイント。本や文章の場合なら、段落や章ごとに、要点があると考えていい。要点の順番を変えずに、短く整理しまとめたものが要約になる。
要点の書き方
要点とは、文章を意味段落で分けた時に中心となる文章のことと考えると良いです。章で分かれている場合も同様です。段落や章という形態の文章のかたまりの中から、大事な点を抽出するイメージです。
中心となる文章は、文章全体の要旨に強く関連することです。要点の書き方は文章内容によって、「箇条書き」で表す方がわかりやすい場合もありますし、まとめることで要約とする場合もあります。
箇条書きが適しているのは、要点が「時系列」や「並列」に表現できる場合です。詳しくは次の記事をご覧ください。
要点をまとめるとは何をすることか
「要点をまとめて書いてください」「要点をまとめて報告してください」などという表現があります。
要点をまとめるとは何をすることなのか。
「まとめる」とは、整理をするという事です。並べ方を整えて、余分な部分は捨てる(削る)という事です。
要点をまとめるのが苦手な方は注目
要点を「まとめる」とは、段落ごとに抽出した要点を並べてみて、バラバラの状態を整った状態にする・整理する(捨てる・削る)という意味があります。
「整理する」には、揃えて整えるときに不要な部分は処分するという意味があります。余計な情報は削るということです。
要点をまとめるのが苦手という方は、この「整理」する作業が苦手なのではないでしょうか。段落から抽出するのも苦手だが、まとめるのも大変というわけです。具体的には、削るという作業に、どこまで削っていいのか不安という気持ちが関係しているのではないでしょうか。
これは訓練をすることで、要点をまとめるコツ・要点を絞るコツが身についてきます。
要点をまとめる訓練で要約力が高まる
ですので、要点をまとめるときにも同様に、要点を整理して要約の形にするのですが、このときに基本となるルールがあります。それは、要旨に沿うということです。
要点として、大事な点だと考えて、チェックした部分が要旨から外れていれば、要約に入れないということです。また、もしかすると要点だと考えた点は、要点ではないのかもしれません。
要点をまとめるには要旨に沿って外れている部分を整理して要約することです。
要点をまとめることは訓練することで、要約力を高めることができます。
要点をまとめる訓練とは、事前に抽出した要点を書き並べ、単純に繋いでいくのではなく、自分の言葉遣いを使って、キーワードとキーワードセンテンスを残して、他の部分を言い換えたり、削ったりする訓練です。
要点を絞るコツは段落に注目
要約ができないという社会人や学生に共通していることが、要点がどの部分なのかが分からないということです。その状態で、勉強や仕事に向き合っても良い結果にならないことは明白です。
要点をまとめると言えば、抽出した要点をならべ整えて、不揃い部分や余分な部分を削るというイメージになります。
さらに要点を絞るとなれば、要点を抽出する範囲を狭めたり、一旦抽出した要点から絞って不要と思われる部分は要点ごと切り捨てるという印象が強まります。10万文字のビジネス書をわずか3行(1行を約40文字と考えると120文字)に要約するAIサービスなどは、
要点を絞るにはキーワードに注目してください。以下の手順を参考に要点を見つけてください。
小説や随筆以外の場合
1)本や文章のタイトルに注目します
2)多くの場合、本文の最後か最初に、作者が最も言いたいこと(要旨)がタイトルに関連して書かれています。タイトルか要旨の中にある言葉が本文の中で繰り返されているはずです。それがキーワードです。
3)段落や章などの節目ごとに要点があります。要点の周りには、キーワードがあります。
4)また事例や体験や研究結果などのエビデンス的な文章で重要そうに書かれていても、それは要点ではありません。そのエビデンスは「何か」の説明根拠として使われているはずです。要点はその「何か」の方です。
5)要点がいくつあるのかは、本や文章のボリュームによって変わります。
小説・随筆の場合は、上記の手順に加えて、登場人物の感情の動きに注目してください。感情の動きや人間関係の変化なども要点になります。
まとめ
要約ができないということは、想像以上に、大きな影響があることです。
要約ができない学生は、要約に関連する問題の点数が取れないです。なかなか大変なことです。しかし最悪の場合、要約関連以外の問題でカバーすることができます。
しかし要約ができない社会人は深刻です。
要約ができないと、上司や部下に伝えたいことを整理して伝えることができます。営業や販売であれば、顧客や取引先に対しても、うまく伝わらないことが原因で成果が上がりにくいです。
時間の経過とともに仕事ができない人というレッテルを貼られてしまいます。社会人にとって、要約力とは読解力・語彙力・文章力と並んで、最も基本となるスキルだからです。
要約ができなくとも、クビになることはありませんが、評価(収入も)が上がることや良い仕事が与えられるチャンスは減少します。それを理不尽に思う人もいるかもしれませんが、基本的にミスが許されないのが社会人の仕事ですので、与えられる仕事はミスをしても損失が発生しにくい仕事になります。
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