文章には読みやすい文章とわかりやすい文章があります。
読みやすい文章とは、専門用語が使われてなく、平易な言葉遣いで書かれた文章です。誤字や脱字がない事も読みやすさの重雨ような要素です。
次に、わかりやすい文章とは、どんな文章なのか。「わかりやすい」とは、よく口にしますし、耳にもします。
改めて定義を確認すると、「理解しやすい文章」となります。専門用語が使われているかも意味が重なるところです。わかりやすい文章とは、文章の流れ・構成が理解しやすいということになります。
当記事では、文章構成力の重要性と構成力を鍛えるトレーニングについて解説しています。
構成力を鍛える|トレーニングするとわかりやすい文章になる
わかりやすく理解しやすい文章とは、社会人が言うところの「良い文章」とされるものです。プロの作家が書く感動させる文章・心を揺さぶられる文章と、社会人のビジネス文章は目的が違いますので、良い文章の定義も違います。つまり、万人にとっての良い文章は存在しないということです。良い文章かどうかは相手が決めるのです。
営業マンで、文章力がないのに、顧客の心を揺さぶる文章が書けないものかと悩む姿を見たことがあります。それは理解しやすい文章を書くスキルをマスターした先に、場合や場面によって偶発的に発生するものです。
小説を書く作家のように狙って書けるものではありません。社会人がまずマスターすべきなのは、わかりやすく理解しやすい文章を書く文章力です。
文章構成力は文章力に最重要な要素
良い文章を書く文章力に、文章構成力は不可欠の能力です。
社会人が書く文章は、小説のように相手が読みたくて読む文章ではありません。必要があって理解するために読む文章や、相手に伝えたいことをわかりやすく理解してもらうために書く文章です。
ですから、小説は多少分かりにくい部分があっても読みたい気持ちがスタートにありますので、読み進めていきます。ビジネス文章の場合、分かりにくく理解しにくいと思われれば読むのをやめてしまう可能性もあります。
最後まで読んで理解してもらう必要があるはずです。最後まで読みやすく感じてもらうには、文章の構成が重要な要素になります。
文章構成力を鍛えると文章はわかりやすくなる
人は文章を読んだ時に、理解しやすいと感じる文章の流れ・順番・構成があります。
文章の流れが良い順番に構成されていると分かりやすく感じるものです。ただし小説とビジネス文章では、文章構成が違います。
小説は、「起・承・転・結」の文章構成で書かれると、どんな結末になるのだろう、と期待しながら読み進んでいきます。その展開(文章構成)を物語として楽しむために読むのが小説です。
例えば、最初に「この小説の結末はこうなります」とネタバラシから始まり、「原因はこういうことだったんです」と、分析されるように構成された小説を読みたいという一般ユーザーはいません。その構成を望むのは、小説の研究家だけだからです。
社会人が書くビジネス文章の場合は、読みたく読む相手はいません。必要があって読む文章です。ですから、どんな結末になるのだろうと期待させる文章構成は、相手にはストレスでしかありません。
ですから、時系列に文章構成されたメール文や報告文章・プレゼン文章は、相手にストレスを植え付けます。時系列の状況を知りたいと相手から希望された場合以外では、悪い文章構成なのだと理解しましょう。
わかりやすい理解しやすいと言われる文章構成を知る
文章の種類によって、文章構成は多少違いがあります。
序文・本文・結論の構成
レポートや論文など、相手が文章を読むスタンスを最初に持っている場合は、「序文・本文・結論」の文章構成が一般的です。ただ序文の中で、どういう結論に向けてのレポート(論文)なのかを明示します。そして、本文では結論へ向けて、考察した内容が外部のエビデンス(根拠)と共に記されます。自分の意見は、考察の中に、外部のデータや文献を根拠として、客観性を持たせて表記します。
少し似ている文章構成には、「問題提起・分析・解決」があります。その名前の通り、問題提起を必要とする場面に使います。社内で起きている何かに対する、解決策の提案をする場合などに使います。
結論・理由・根拠・結論の構成
次に、社会人が日常的に最も書くことが多い文章構成を紹介します。メール文(顧客や取引先)や報告文書・プレゼン資料など、ほぼワンパターンで使える報告向きの文章構成です。
もちろん、相手との関係性によって敬語を使い分け、相手の理解度レベルによって、補完説明を加えるなどを追加する必要はあります。
しかし基本形は「結論・理由・根拠・結論」の文章構成が、使いやすいのです。
日頃の口頭での報告や説明についても、この文章構成を使うことで、「結局何を言いたいのか」と言われることはなくなります。報告型ではこのパターンを覚えておくだけで役に立ちます。
構成力を鍛える|トレーニングしないと身につかない
当たり前のことですが、意識していても文章の構成力が身につくわけではありません。毎日のトレーニングが必要です。たった今から始めてみに染み込むまで繰り返してください。
構成力を鍛えるトレーニング1)話し方をたった今から「結論・理由・根拠・結論」の構成に切り替える
普段の過ごし方が話し方の文章構成と、書く文章の構成に強く影響します。社外の人と話す場面、上司や先輩に対する場面などで、話す時に「結論・理由・根拠」の順番で話すことを自分に徹底するのです。これは非常に効果があるトレーニングになります。
また話すだけではなく、報告に関する書類について書く場合にも実践してください。話すパターンと書くパターンをこの形で使ってください。
数日後には、「最近話の仕方がわかりやすくなったね」と言われるはずです。逆に、理解しにくいダメな構成は、「感情」「現象」「疑問」から話し始めることです。
構成力を鍛えるトレーニング2)目にする文章を分析し文章構成に注目して読む
誰かが書いた文章や、本の文章で読みやすいと感じた文章について、文章構成を分析してみることです。これがトレーニングになります。理解しやすい文章は、先に紹介した「理解しやすい文章構成」に近い形になっているはずです。
逆に理解しにくい文章も分析すると、理解しにくい文章構成になっていることがわかります。
おそらく、結論(主張)が分かりにくい文章になっているはずです。あるいは、主張や理由らしき文章が、何度も行ったり来たりしているはずです。言いたいことが散らかっていて、結局何を言いたいのだろうと感じるはずです。
反面教師として、だから理解しくいのだということに、気づく事もトレーニングになります。
構成力を鍛えるトレーニング3)文章を書く前に文章構成を考え見出しを考える
顧客へのメール文であれば見出しをつけるのはおかしいと思いますが、取引先や上司への連絡や報告の文章には見出しを付けてもおかしくありません。
まずは、前述の文章構成に則って書く事です。
そして文章の区切りの始まりに見出しを付けます。もし見出しを付けたままでは、文章の体裁がおかしいという事ならば、最後に発信する前に見出しだけ消します。
実は文章の区切りを一つのブロックと見た時に、見出しはそのブロックの結論にあたるものです。そう考えて見出しごとのブロックの中でも、小単位の文章構成と考えて、文章作成をすることは理解しやすい文章を書くトレーニングになります。
まとめ
文章の構成力は理解しやすい文章作成に欠かせないスキルです。
文章の流れが理解しやすい順番に構成されていると、相手には理解しやすい文章として受け入れられます。
文章を書くのが上手い人と認識されると、「頭がいい人」「信頼できる人」というプラスの効果も生まれます。
理解しやすい文章の構成を身につけるには、トレーニングが必要です。
たった今から、話し方を「結論・理由・根拠」の順番に話すように、トレーニングするのです。毎日続けることがトレーニングになります。
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