見た目は大人なのに子供のような話し方や文章の書き方をしていると、損をするだけです。
語彙力とは、たくさん言葉を知っていることと、言葉を使える(話すこと・書くこと)ができる能力です。
語彙力がないまま社会人になるととても苦労をします。日本にいるはずなのに、周りの人が話している言葉の半分以上が理解できないという現象が起きます。
語彙力をつける方法は、いろいろあります。しかし単語だけを覚えるやり方では、前後関係からによる意味の変化や違いに気づけないかもしれません。一つの言葉が持っている意味は一つではないからです。
時と場合によって変化する言葉の意味を知るには、本を読むことから始めることです。語彙力をつけるには言葉を知ることから始める必要があります。
語彙力は本を読むことから|言葉の意味を知らないと使えない
語彙力がないと日常生活でも、相手が話してる言葉が理解できないことがあります。また自分が思っていることをちょうど良い感じで伝えることができないことがあります。
相手が友人知人や親兄弟なら、語彙力がない状態でも分かってもらえることもあります。しかし社会人となった後は、上司や先輩、そして取引先や顧客が相手です。
相手が言っている言葉の中に知らない言葉がいくつかでもあれば、その影響は仕事の結果や評価や評判などを左右します。同じく伝えたいことを分かりやすく様々な言葉を使って上手く伝えられないと、ボキャブラリーがない人・語彙力がない人と認定されてしまいます。
社会人になってから身につける言葉はたくさんあります。ビジネス用語や業界の専門用語などがあります。しかし可能であれば学生のうちから語彙力のベースを身につけておくと良いです。
語彙力の基本があれば、社会人になってからのビジネス用語や専門用語なども、スムーズに覚えられます。語彙力をつけるには、本を読んで言葉を知ることです。
語彙力をつけるには本を読むことで言葉を知ることから
そもそも語彙力が不足している原因は、読書不足です。高校や大学の頃には、読書をしている友人を見て、「時間を無駄にしている」「読書をする暇があるなら自分なら〇〇〇をする」と言っていたのではないでしょうか。
読書は単なる趣味ではありません。社会人の基本スキルとなる語彙力や読解力がつく基礎となるものです。
本を読むことが語彙力をつける基礎であるのは次の流れにあるからです。
1.文字を見て漢字や言葉を知る
2.知らない言葉であれば、読み方と意味を調べて覚える
3.他の場面(話す場面・書く場面)で使ってみる
この3つの流れを繰り返すことで、語彙力がアップしていきます。ですので、本を読むことは語彙力をつける始まりとなる基礎なのです。
語彙力をつける本は小説が良い
社会人になってビジネス用語や専門用語が分からないという場合は、ビジネス書を読む方が良いかもしれません。しかし語彙力の基本も自信がないという場合なら、アプリなどで単語ベースで覚える方法もありますが、一番良いのは本を読むことです。そして語彙力をつける本として万能なのは、小説です。
多くの人は、語彙力をつける本には、実用書をイメージする人が多いかもしれません。しかし前述の通り、言葉には意味が一つだけとは限りません。辞書を引けば分かるとおり、言葉は時と場合によって、意味が変わるという性質があります。
時と場合とは、言葉の前後関係であり、文章の流れです。つまり同じ言葉なのに、文章によって意味が変わります。辞書で言葉の意味がいくつも表記されているのは、そのためです。
ですので様々な場面に応じた言葉の使い方を知るには、小説を読むことが大事です。ビジネス書ばかり読んで、小説を読むことを馬鹿にする人もいます。それは大きな間違いです。著名な経営者や優秀なビジネスマンは、総じて読書家であります。彼らが読む本の中には、何割かの割合で必ず小説が入っています。
有名な人では、Windowsやワード・Excelを作ったマイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツもまた、読書家として有名です。ビル・ゲイツがおすすめしている本も公開されていますが、必ず小説(フィクション・ストーリー)が含まれています。
小説を読むことは大事です。
語彙力をつけるには本を読む|高校生・大学生へ
語彙力が重要なのは、社会人になってからに限定されるわけではありません。学生時代も同じように、あるいは社会人以上に重要です。高校生・大学生の間に語彙力の基本を身につけることができていれば、社会人になってからビジネス用語などの新しい言葉を覚えるとしても楽だからです。
また先生の話や友人との会話の中で、「そういう意味だったのか」「そういうことだとは思わなかった」などという経験はありませんか。よく言われるのは「読解力が無い」ということですが、それ以前に「言葉の意味(語彙)」を理解していなかったためなのかもしれません。つまり読解力もないが、その前に語彙力もない、ということです。
問題の意味が分からないという場面、先生の話が部分的に分からないという場面は、語彙力がないことが原因の可能性が大です。言葉の意味(語彙)を知るためには、普段からいろいろな本を読んで言葉の意味を知ることです。
前述の通り、言葉の意味は文章の流れで変化しますので、いろいろな文章の中で意味を知ることが大事です。
語彙力をつける方法としては、小説を読んで知らない言葉に出会い、意味を調べることを繰り返していく事で語彙力は高まります。語彙力をつける参考書や問題集もダメではないです。しかし言葉の意味は、一語に一つではありませんので、不十分ということです。
語彙力をつける本として、おすすめするのは、小説やビジネス書・自己啓発書です。活字で書かれている書籍で、自分が興味や関心を持てるテーマならジャンルにこだわらずに幅広く読むことをおすすめします。マンガはたまに読むのは息抜きになって良いかもしれません。
ただ諸外国の研究結果でも読解力が低下すると示されていますので、おすすめはしません。当記事では小説を紹介します。4冊目の「夢をかなえるゾウ」はビジネス書や自己啓発のコーナーに置かれているお店もあります。
とにかくたくさんの本に出会うことが大事です。
語彙力がないと社会人になって恥をかいて損をする
普段SNSを使い慣れている人は、要注意です。SNSの会話は「話し言葉」が基本になっています。しかし、大人が仕事でメールを使う場合、うっかり普段の調子で文章を作成してしまうと、相手は驚きます。
顧客や取引は当然ですが、社内であっても上司や先輩にやってしまうと、「社会人としてNG」というレッテルを貼られてしまいます。恥もかきますし、今後の評価や仕事で大きな損をすることになります。
同期入社の中で昇進が遅い人は、語彙力不足の可能性があります。なんとか出世しても次のステップではさらに分からない言葉だらけになります。
語彙力がないと変な日本語やワンパターンの言葉を使って立場を無くする
相手に直ぐにバレてしまうのは、変な日本語の代表である敬語の間違った使い方です。通常は相手について表現するときは尊敬語を使います。自分については謙譲語を使います。どこかで間違えてインプットしたまま、40歳を過ぎてもまだ間違えて相手のことを謙譲語で表現する人がいます。
本当に不憫でなりません。40歳を過ぎてるから誰も教えられないのだろうな、と思います。またワンパターンの言葉遣いも多いです。何かというと同じ言葉で表現しようとします。とても損をしますし、立場がないです。
語彙力が使えないと見た目は大人なのにメール文章は子供っぽい
SNSが好きな人は要注意です。SNSのメッセージは話し言葉で書かれることが多いです。友人や家族との関係性が多いので当然そうなるのだと思います。しかし仕事で使われるメールは、基本が書き言葉です。
メールの文章は、手紙の文章の書き方がベースになっています。メールの相手が顧客の場合、取引先の場合、上司へのメールの場合、先輩社員へのメールの場合など、同じことを伝えるのであっても、相手が違えば、表現は違わなければなりません。
顧客が相手ならば、漢字の割合が多くならないように注意し、多少柔らかめの表現や敬語を意識する必要があります。当然、専門用語は使わないです。
しかし取引先なら、専門用語が主体になり、言葉遣いは堅めになります。
上司が相手なら、取引先と似ていますが、もっと簡潔に書く必要があります。先輩社員へのメールは、敬語レベルは浅めで良いですが、失礼になってはいけません。もちろん専門用語で書いて良いです。うっかりSNS的な書き方を絶対しないことです。
特に、顧客が取引先担当が相手の場合で、その方が本を読む人である場合には、メールの書き手が本を読まない人だとわかるので、場合によっては、商談に支障が出ることもあり得ます。もし自分自身が本を読まない人で、営業の仕事をするのであれば、今からでも遅くないので、読書をして言葉を覚えて語彙力が使えるようになることをお勧めします。
語彙力不足に気づいてないのは自分だけかもしれません
とても恥ずかしい話ですが、語彙力不足に周りが皆気づいていて、本人だけが知らないという場合があります。後で、知ったときには、青ざめる思いをするでしょう。
実はめったに無いことではないのです。前述の例のように40代の社員では誰も教えてくれません。30代でも教えてくれる可能性は低めです。
本を読むことや語彙力のアプリを試してみることで、セルフチェックをするしかありません。たくさん読書をしている方であれば、読書の中で、気づきがあるかもしれません。
語彙力はSNSやテレビからは学べない
SNSは基本が普段遣いの話し言葉でできていますので、知らない言葉を覚えることは、めったにありません。だいたい、仕事のメールで「やばい」なんて表現はしないものです。万が一、うっかりしてしまったら、場合によっては一巻の終わりです。
テレビも同じです。映画をテレビで見る場合は、少し違いますが、一般的なテレビ番組で社会人が使う大人の言葉遣いを知るチャンスは限りなく低いです。
語彙力をつける本のおすすめ|社会人
語彙力をつけるための本はたくさんあります。アマゾンで検索すると、4000冊以上がヒットします。
その中で、すぐに使えてわかりやすい本を紹介します。紹介する本は1冊で良いと思います。
ただし、それは気づきのための1冊です。本当に語彙力を高めるには、様々なジャンルからたくさん本を読むことをおすすめします。
「語彙力がない」「語彙力が低いね」「言葉を知らないよね」と言われた最大の原因は、これまでの人生で本を読まずにきてしまったことに尽きるからです。
言葉を知らないことは、全てに影響しています。仕事ができるかできないは、上司の言葉・顧客の言葉を正確に理解しているかどうかが強く関係しています。資料から何を読み取れるかなども同様です。
人間関係にも語彙力は影響しています。職場の人間関係、社会人になってからの友人知人との関係、家族との関係、パートナーとの関係、全てに影響しています。多くのトラブルや感情の行き違いは、相手の言葉の意味を正確に理解していないことが原因です。また自分が発した言葉が原因で、相手との関係性が壊れてしまう原因は、自分が言葉の意味を理解しないで発してしまったことが原因です。
ですので語彙力はとても重要なのです。
大人の語彙力ノート
著者の齋藤孝さんはメディアにも露出が多い方なので知っていると思います。教育学者であり、著作家です。日本語や言葉・読書に関する著者が多数あります。
「大人の語彙力ノート」では、大人が使うべき言葉が多数紹介されています。本を読んだら、今日からでも意識して話したり、書く文章に使っていくことで、語彙力がある人に成長したのかもしれないと見られるようになります。
そのように周囲の見る目が変わると、評価が変わります。評価が変わると、仕事の信頼度が上がります。信頼度が上がれば、仕事の役割も変わってきます。そうなれば自分自身が仕事をすることに自身が持てるようになり、同時に給料も上がるはずです。
もし語彙力がないままの状態で、今後も放置するならコロナ禍やコロナ不況の影響もあり、現状維持では済まないはずです。
まとめ
語彙力がないとは、簡単に言いますと、言葉がわからないということです。しかも、特に難しいことではなく、本を読んで言葉を覚える努力をすれば、身につくことです。
高校・大学・新卒時代と本を読まずに過ごしてしまった人は、言葉の意味がわかるようになるには、それなりの努力は必要です。ですので、語彙力がないとすれば出来ないのではなく、やらないこととみなされます。
語彙力がない大人は、恥をかいて損をするだけです。気づいたほうがいいです。
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