要約の書き方ガイドライン|手順・ポイント・注意点

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本記事では、要約の書き方についてのガイドラインをご紹介します。要約は、情報を短くまとめる能力が求められる重要なスキルです。特に、情報が溢れる現代社会においては、効果的な要約がますます重要性を増しています。

この記事では、要約の書き方について、具体的な手順やポイント、さらには注意すべき事項まで詳しく解説します。要約をする際に押さえておくべき基本的なステップから始め、読者の関心を引く要点の抽出方法、要約文の簡潔で明確な表現法まで、幅広い視点からアプローチしていきます。

また、本記事では要約の書き方に関する実際の例や練習問題も取り入れ、読者の理解を深めるための手助けを行います。要約のスキルを磨くことで、情報を効率的に処理し、他人にもわかりやすく伝える能力を向上させることができます。

要約の書き方に関心のある方々にとって、本記事は貴重な情報源となることでしょう。是非、ご一読いただき、要約のスキル向上にお役立てください。

目次

要約の書き方ガイドライン|手順・ポイント・注意点

要約,書き方 (1)

要約の定義

要約とは、元の文章やテキストの内容を短くまとめることです。要約によって、長い文章や情報を効率的に把握することができます。要約は主要なポイントや重要な情報を抽出し、核心を的確に伝えることが目的です。

高校生も大学生や社会人にも要約の書き方の基本形は同じです。ただ要約を求められる場面によって、注意すべきポイントがありますので後述します。

要約と要旨の違い

要約と要旨は似た意味を持ちますが、微妙な違いがあります。要約は元の文章を短くまとめることを重視し、主要なポイントを抽出します。

一方、要旨は文章の要点や主題を端的に伝えることを重視します。要約は詳細な内容を短くまとめるのに対し、要旨は主題や目的を明確に述べることに焦点を当てます。

要約の書き方の4つの手順

要約の手順は、以下の4つのステップで構成されます。

1)文章のおおまかな内容を把握する
2)文章を「意味段落」に分ける
3)段落ごとの要点とキーワードを抽出する
4)自分の言葉でまとめる

文章のおおまかな内容を把握する

要約する文章の全体的な内容を把握することが重要です。文章の主題や目的、論点などを理解しましょう。これによって要約の焦点が明確になります。要約を作成する際に最初に行うべき重要なステップです。

まず要約の対象となる文章を最初から最後まで読みます。この段階では、まだ詳細に内容を把握する必要はありません。文章の流れや大まかなトピックについて把握することを目指します。

文章を読んだ後、主要な要点や重要な情報を特定します。これには、主題文や論点、主張、結論などが含まれます。文章の中心的なアイデアや重要なポイントを見つけることが重要です。

文章を「意味段落」に分ける

文章を意味のまとまりである「意味段落」に分けます。各段落は一つのアイデアや情報を含んでいます。段落ごとに要約することで、文章の構成と論理的な流れを捉えることができます。文章の構造を理解しやすくし、要約の際により明確な要点を抽出することができます。

要約する文章を読みながら、段落ごとにまとまっている情報のグループを特定します。通常、新しいアイデアやトピックが導入されるたびに新しい段落が始まります。

各段落を個別に要約します。段落ごとの要約では、その段落が伝えようとしている主要なポイントや情報を把握します。具体的には、段落の最初の文や主題文、主張、例示、引用などを重点的に読み取ります。

段落ごとの要点とキーワードを抽出する

各段落から要点やキーワードを抽出します。段落の主題文や重要な情報を特定し、それを要約に取り入れるための基礎とします。具体的な例や補足説明も必要に応じて抜き出しましょう。この手順によって、各段落の主要な情報を特定し、要約文に組み込むことができます。

要約する文章の各段落を注意深く読みます。段落ごとの情報を理解し、文章全体の流れや論点を把握することが重要です。段落の最初の文や主題文、トピック文など、段落の主要な情報を示す部分を特定します。これらの文には、段落の要点やキーワードが含まれることが多いです。

自分の言葉でまとめる

最後に、抜き出した要点やキーワードを元に、自分自身の言葉で要約をまとめます。元の文章の意味や情報を正確に伝えるように努めましょう。専門用語や難しい表現を使わずに、できるだけ平易な言葉で要約することが大切です。

抽出した要点やキーワードを元にして、オリジナルの文章を短く簡潔な言葉で再構築します。前の手順で抽出した段落ごとの要点やキーワードを整理します。関連する情報をグループ化し、要約文の構成を考えます。

オリジナルの文章を自分の言葉で再構築します。要約文は元の文章を短く簡潔にまとめたものであるため、冗長な表現や余分な詳細は省略します。

要約の書き方の3つのポイント

要約の書き方では以下に紹介する3つのポイントに注目してください。

1)要約に必要な3要素をおさえる
2)不要な文章はそぎ落とす
3)キーワードは必ず入れる

必要な3要素をおさえる

要約を作成する際には、以下の3つの要素を必ず含めることが重要です。

1)主張・結論:元の文章が伝えたいメッセージや結論を明確に表現します。
2)理由・根拠:主張や結論を支える理由や根拠を簡潔に示します。
3)事実・具体例:具体的な事実や例え話を使って、要約を補足し説明します。

不要な文章はそぎ落とす

要約では、本質的で重要な情報を伝えることが求められます。不要な詳細や繰り返しを排除し、肝心な内容に絞り込みましょう。要約の短縮や簡潔化に努めることが大切です。

キーワードは必ず入れる

要約では、元の文章のキーワードを適切に活用することが重要です。キーワードは文章の中心的な要素や重要な概念を表しており、要約の明確さと連結性を高めます。キーワードを適切に取り入れることで、要約の内容がより一貫性を持つようになります。

要約の書き方の3つの注意点

具体的に要約を書く場面では以下の3つの点に注意しましょう。

1)文章の順番は入れ替えない
2)元の文章を切り貼りしない
3)自分の意見や解釈は入れない

文章の順番は入れ替えしない

要約では、元の文章の順番を入れ替えることは避けるべきです。元の文章の論理的な流れや情報の提示順序を尊重しましょう。順序を変えると、要約が元の意図と異なる内容になってしまう可能性があります。

元の文章を切り貼りしない

要約は、元の文章をそのまま切り貼りするのではなく、自分自身の言葉でまとめることが重要です。ただし、キーワードやフレーズを適切に引用する場合は例外です。自分の言葉で要約することで、要約の独自性と理解しやすさを高めます。

自分の意見や解釈は入れない

要約では、元の文章の内容に対して自分自身の意見や解釈を加えるべきではありません。要約は客観的に元の文章を簡潔にまとめることを目指すため、主観的な要素は排除しましょう。

要約のジャンルごとの注意点

要約する対象によって注意すべき点に少し違いがあります。

読書レポートの要約の書き方の注意点

読書レポートの課題が出題されるのは、主に高校や大学です。名前の通り、題材は書籍になります。読書レポートは序文+本文+結論の構成で書かれるのが一般的です。

本文は、要約+考察で構成するのが一般的でしょう。読書レポートの要約の書き方で注意することは、題材が本ですので、本の中から要旨を見つけ、関連する要点を抽出する事です。

多くの場合は、タイトルや最初か最後の数ページの中に要旨が見つかります。章立てされているビジネス書などの本であれば要点は章ごとに見つけるのがよいです。小説の場合であれば、読了後に意味段落で分けて、意味段落ごとに要点を見つけるのが良いです。

またレポートですので、単なる要約文ではなく、考察が重要になります。

要約レポートの書き方の注意点

読書レポートは題材となるのが原則書籍ですが、要約レポートの場合は、題材は文章全般であり広範囲になります。書籍もその一部となりますが、ほかに論文などの文献も対象になります。

また読書レポートの場合、対象となるのは書籍ですので、8万文字〜12万文字の本を読む必要があります。要約レポートの場合は、論文を対象と考えた場合でも文字数は2万文字〜4万文字程ですので、書籍よりは少なくなります。

また論文の場合であれば、著者は主張を明確に示していることが多いと思われます。しかし、それ以外の現代文などの課題文があって要約レポートであれば、繰り返されているキーワードやキーセンテンスに注目してください。

要旨はそのすぐ近くにある場合が多いです。要旨が見つかれば、本文を意味段落に分けて、段落ごとに要点を抽出するのが要約のコツになります。

小論文の要約の書き方の注意点

小論文の要約は読書レポート等とは違い難しい印象があるかもしれません。しかし要約の基本は同じですのですので、小論文ならではの注意点について理解しておきましょう。

要約というからには、重要なところをまとめて簡潔に表現することが基本となります。ただ小論文試験においての要約という場合、採点の基準が明確にあります。採点基準は「小論文の理解度」「テーマについての理解度」「正確な文章表現」にありますので注意しましょう。

小論文の課題文とテーマについての理解度が不足している場合、要約された文章に重要部分(要点)が欠けていたり、要点ではない部分が混在した状態になります。また重要な部分(要点)をまとめて、文章化するときに正確な文章表現が不足していると、要点を単純につなげただけの文章になってしまう傾向がありますので、注意しましょう。

また小論文試験の傾向から、要約だけではなく意見を求められるケースも少なくありません。その場合は、要約と意見は別に表現する必要があります。要約は小論文の作者の主張です。要約の中に自分の意見を混在させないように注意しましょう。

要約の書き方の注意点|高校生の場合

高校生は小論文や現代文を要約します。また大学生の課題のようにレポートを求められることもあります。

大学生のようにレポートで提出となりますと、要約の作成に加えて、検証(他の文献を参考にした)や、自分の同調や反論という意見(他文献を根拠として述べる)を含めて考察とした内容を作成することになります。課題図書の他にも文献や書籍を読む必要があり、相応の時間もかかります。

高校生の場合は、要約を書くというケースが多いと思われます。要約を書くということは、自分の理解度を示すことともいえます。ですので採点されるものでもあります。

細かな言葉遣いの違いはあるとしても、要約文として基本的な正解があるからです。ここが読書感想文やレポートの考察との違いです。

高校生の要約の書き方で大事なことは以下のとおりです。(具体的な要約を書く手順は後述)

1)作文や感想文ではないので自分の意見や考えを入れない
2)要約は正解があると考えて見つける意識を持つ>だから評価ではなく採点される
3)本や文章を読んで著者の意図を知ることが最も重要
4)適切な日本語や文章を書けているのかも採点の基準となる

要約は、書き方のコツを覚えれば、難しいいことはありません。一般的な本の要約等については、次の記事をご参照いただければ、作成可能のはずです。

要約の書き方の注意点|大学生の要約レポート

高校生の場合は、国語力を上げるために小論文や現代文の要約を書きます。高校生にとって要約文を書くことは、本や文章を読んで理解度を示すことです。正しく理解していることを表現するのです。

そして要点を整理し、要約として文章化するときには、日本語の文章力もためされるです。

大学生の場合、読書レポートの提出や卒論などに要約を加えるため、要約文を書く場面が増えます。(論文を書く場合でも、内容についての要約を合わせて提出する必要があります)

高校生のように要約についての採点という基準は明確にはなく、要約レポートや論文の評価として示されます。とはいえ、要約を書くことは、文章の理解度と文章力を示すものですので、手を抜けるものではありません。

評価のポイントとしては、要約は正しく理解していることを評価するものであり、重要なのは続く「考察」部分ということになります。要約では個人の感想や意見はNGですが、考察では意見や反論を根拠を持って示す必要があります。この場合の根拠とは自分の意見や反論を支える他の参考文献となります。ですので、課題となる図書以外に参考文献となる本や論文の読み込みも必要になります。

要約文の書き方、その事自体について大きな違いはありません。違いがあるのは、レポートや卒論・論文の一部として要約を書くということです。要約やレポートを作成する際に、参考文献から引用するケースがあります。引用ルールを間違うと著作権侵害に抵触する可能性があります。

各大学では、レポートの引用について詳しく規定していますので従うのが基本です。

国語のテストで文章要約の書き方の注意

国語のテストで文章要約が出題されることもあります。対象となる文献は小論文や現代文や新聞など、様々です。要約が苦手な人は、対象文献の種類によって、要約の書き方に迷いが生まれてしまいます。

要約の書き方は後述の要約の書き方マニュアルと、国語の文章要約の基本はほとんど同じです。

特に注意する点は、「何文字に要約する」「文章の作者が最も伝えたいことは何か」「要約に意見や具体例は不要」の3点です。国語のテストとして要約が出題される場合、文字数オーバーは減点対象となる可能性があります。文字数がオーバーしている場合、具体例を含めてしまっている場合があります。

そして作者が最も伝えたいこと(要旨)が何かを読み取ることが重要ですが、自分の意見が混在しないように注意することです。そのためには「・・・と思います」という表現はしないことです。要旨に関連する部分(要点)を抽出し、要点を合成して要約文を作成するのです。

社会人の要約の書き方マニュアル

当記事は、社会人のための要約マニュアルとして解説するものです。大枠は、学生の頃の要約の書き方が転用できます。学生の要約書の書き方の手順に合わせるようにして解説をしてまいります。

要約の書き方としては2つのパターンが考えられます。一つは提案書型の書き方です。伺書や稟議書などがあります。もう一つは、報告書型の書き方です。

社会人が最初に覚えるべき書き方は、報告書型の書き方です。当記事で紹介する書き方です。

以下、報告書型の書き方を基本にして、要約文の書き方を紹介します。

要約の書き方1|文字数を何文字にするか

書くべき書類の文字数は確認しておく必要があります。

業務報告書ならば数行かもしれませんし、プロジェクトの事業計画や販売計画であれば、A4かB4サイズで5枚から10枚という量になるはずです。

要約の書き方2|論文や本の場合ならまず読んで理解を深める

論文や本を要約する場合、マーカーや付箋を持って読み込むことです。重要な部分にチェックをしながら、読み込んでいきます。チェックした文章やキーワードは、後で要点としてまとめ整理します。

章立てや見出しがない本や文章の場合は、意味段落に整えておく。意味段落ごとに要点を考えるための準備をしておくのです。

社会人が実務に関して報告書を要約して書く場合には、関連する物事を書き出します。例えば1週間の業務報告であれば、この1週間に行動した内容を書き出します。販売計画や事業計画は、書き出し作業でかなり時間がかかるはずです。箇条書きのメモでもOKです。分量が多いものは、書くべき内容は多岐にわたるはずです。ひとまずは「吐き出す」作業をしましょう。

要約の書き方3|本の場合なら要旨だが実務の場合は

書類の要旨にあたる物事を見つけます。本や文章を書いた人が最も伝えたいと考えていることは何なのかです。論文などの主張や問題提起の場合であれば、現状に対する問題提起や発信者の考えや伝えたい事が要旨になります。

タイトルや文章の最初か最後に書かれていることが多いです。あるいは、繰り返されるキーワードやキーセンテンスに、現れている場合があります。

報告書型の場合、現場で起きていることを伝えたいと考える人が多いと思います。この場面では、提出先の相手が、知りたいこと・希望すること・関心あることに注目することです。そのことが、要旨にあたる部分です。相手は常に上司とは限りません。取引先かもしれませんし、あなたが上司でチームメンバーに対するメッセージを伝える場面かもしれません。

要約の書き方4|要旨に沿って要点を整理

3番で見つけた要旨に沿って、2番で書き出した重要部分を整理し、要旨と関連が強ければ要点と考えます。

要旨との関連度合いが低いものは、削ります。重要度の基準は、要旨に関連性があるかないかです。

研究結果や調査結果、あるいは具体例の解説などは、文字数やページ数のボリュームが多いとしても、要約には入れません。

書き出した物事の中には、自分自身の考えでは、書き入れたいと思うものもあるかもしれません。しかしそれをすることで、要約は一貫性のバランスを失って、読んだほうは「何を言いたいのかわからない文章」となります。

要約の書き方5|要点をつなげて文章化

整理して残ったものは、要点であり、書類に書き入れるべき物事です。まだメモ書きレベルの状態のはずですので、残った他の文章と合成し、言葉を追加して、文章化していきます。

このときの日本語の使い方や、主語と述語の関係性などの文法的な間違いが起きないように注意しましょう。文章化の意識が強すぎると長文化してしまう可能性があります。長文化すると、途中で主語と述語の関係性をミスして書いてしまうことがあります。注意深く文章化しましょう。

書類の書式によっては、見出しをつけて、箇条書きで表す形式で良い場合もあります。

要約の書き方6|要約には意見を入れない

作成する要約文を分かりやすく仕上げるためには、自分の意見は入れないことです。繰り返しになりますが、要約はもともとの文章が、著者の意図に沿って、凝縮した文章です。読み手や要約者の意見入れるものではありません。

しかし読書レポート(要約レポート)としてまとめる場合(大学生など)は、評価のポイントは要約文ではなく「考察」に移ります。どういう根拠でどのような意見や反論を持ったのかが評価されます。

報告書や計画書は、基本的に事実の積み上げと分析です。計画書には、仮説はあっても、推測は入れないことです。「私は・・・だと思います」が入った途端に分かりにくい文章に生まれ変わります。他人の主観は字面で理解したとしても、本当の意味はわからないものだからです。

まとめ

要約文の書き方を紹介しました。難しく考えず、紹介した方法を順番になぞっていけば、割とカンタンにできるはずです。

白紙の紙やノートに向き合って、「さあ、要約文を作成するぞ」と言っても、カンタンにかけるものではありません。当記事を参考にしていただいて、要約文作成に慣れる練習が必要です。文章力も併せて高まるはずです。

筋トレで筋肉を作るのと同じです。1日筋トレをしても、次の日に筋肉をついた体にならないことと同じです。何日も何回も筋トレが必要です。

要約文の書き方も同じです。当記事で紹介しているのは、基本的なやり方の順序です。要約文を書くのが上手になるのは、何度も繰り返し練習した後です。

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