大学では、読書レポートや卒論を書くことが多く、要約をする場面が度々あります。そのため要約の課題が出題される機会が増えます。
大学の要約では読書レポートのように、批評や評価をしたり意見を述べるということはありません。しかし論文等の要約をする作業や課題として要約を作成するのは、論文に対する理解度を示すものでもあり、大学生にとって十分に重要な作業です。
要約の書き方|大学生の手順とコツ
当記事では、 大学生が課題を作成する場面での要約の書き方の手順とコツについて解説いたします。
大学生は高校生と比較しても社会人と比較しても、要約を書く機会が最も多いのではないかと思います。ですので、要約の書き方を覚える必要度が高いのは大学生ではないかと思います。ただ社会人の場合は、要約は書くよりも話す場面で使う必要があります。
当記事が、大学生の方の要約作成のヒントになれば幸いです。表面な説明は別の記事で紹介していますが、手順やコツの1ステップの意味を解説しています。
要約の書き方の手順
読書レポートもそうですが、大学の要約でも実際に書き始める前の準備が、書き方の手順で重要になります。
本文を読む前に目次と序文・結論から要旨を考える
要約の書き方で最初に行うのは、文献や課題図書を読むことからですが、重要なのは全体を通して著者が何を主張しているのかを把握することです。一般的に著者の要旨は序文か結論にかかれているものです。
合わせて目次を確認し、著者の要旨に基づいて、書かれている文章構成を確認します。主旨が把握できたら、いよいよ本文を読みすすめていきます。要旨がわからないままでは、どの文章が要点なのかがわからないからです。要約の書き方のポイントになります。
本文を読みながら付箋
片手に付箋を持ちながら、読みすすめていきます。読書の経験が少ない方は、一度通読したほうが良いです。そして2回目に精読し、重要と思われること・先に把握した要旨に関連すると感じる部分に付箋を貼って、読み進めていきます。
単純に文字面を読むのではなく、文章の意味を考えながら、繰り返されるキーワードやキーセンテンスに注意をして重要と思われる部分に付箋を貼付しながら読みます。
課題図書の内容理解を深めることと、要点となる部分をチェックするためです。
要約する部分を絞り込む(章ごと)
読み終わると文献(課題図書)には、付箋がたくさんついた状態になっているはずです。次に付箋のついている部分を絞り込んでいきます。要約するための要点を絞っていく作業です。
目安は、章ごとに要点があるの考えて、絞り込むと良いです。今一度、最初に確認した主旨との関係性に注意して絞り込んでください。
また、付箋をつけた部分には、キーワードやキーセンテンス(鍵となる一文)が繰り返されているはずです。それも手がかりになります。
要約の書き方に直結する作業です。
要約を開始します
いよいよ要約を開始します。
途中で確認したキーセンテンスに含まれる言葉や文節をつなげながら、主旨に沿って、文章化していきます。文章化するときには、主語と述語の関係性など、文法的におかしくならないように、自然に文章化してください。書き方のポイントです。
言葉をつなげていく中で、長文になりすぎたり、主語と述語がズレていたり、課題図書の元の文章と意味が違ってしまうなどの失敗例が発生する場合があります。注意しながら、文章化してください。
要約は元の文章意味が表現されていなければなりませんし、要約者の主観(意見)が入ってもいけません。要約の書き出しについては、次の記事もご参照ください。
要約の書き方のコツを確認しましょう
要約を作成するときには、コツがあります。コツに注意して手順通りに進めていくと、要約が上手くできるはずです。
全体を通じて著者が言いたいことを結論とし、理由と根拠を要点が構成しているように
相手にわかりやすい論理的な文章構成として、「序文・本文・結論」や「結論・理由・根拠」などが使われていることがほとんどです。課題書籍もそうですし、要約も同様の構成になっていることが望ましいです。
結論には著者の主張を書き、対して付箋を付けてチェックした部分が、結論に対する理由であり、理由を裏付ける根拠になっている必要があります。
要約を読んだ相手にわかりやすく理解してもらうためには、文章構成が重要です。
元の文献の要点を説明する具体例などは、要約に入れない
課題図書の中には、何かを証明するための補足説明があります。要約ではそのような説明部分は不要になります。要約文には入れないでください。
補足説明は重要そうに見えても、要旨から見れば、補足するものであり必然性がないからです。
要約作成にあたって要約者の意見は解釈は不要
要約は、課題図書の書籍や文献、あるいは論文などの要点をまとめて簡潔にしたものです。
読書感想文や読書レポートのように、個人的意見や解釈・評価を表記するものではありません。書かないのが正しいのです。
ですので、「私は」「思います」という表現は出現しないことが正解です。
ただし文章表現として、原文のまま書くことはできません。キーワードやキーセンテンスなどの文節は原文の言葉を使い、それ以外の部分では別の言葉で表現しなくてはなりません。
元の文献から引用する場合は具体的に出典元を明記する(誰の意見かページ数など)
要約は元の文献から・著者の主張・要旨を把握し、要約者が自分の言葉で言い換えて作成するものです。場合によっては、そのまま引用する方が、相手に伝わりやすい場合もあります。
その場合は引用のルールに従い、課題図書から引用します。誰の意見なのか、ページ数などを明記する必要があります。
引用は、原文の一部をそのまま使うものですので、必要最小限にすることです。。
まとめ
要約を書く場面は、高校生・社会人と比べても大学生が一番多いかもしれません。
社会人は要約を書くことよりも、話すこと全てが要約という側面はあります。
要約の書き方について、大学生の場合の手順とコツについて解説をいたしました。表面的な書き方や手順については、当サイトの「要約の書き方は順番にやれば難しくありません」でも紹介していますが、当記事では手順の目的に関連するように少し視点を変えて紹介をしました。
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