朝読書が推奨され、小中学校を中心に実践している学校はたくさんあります。
朝読書の効果が高いことは、朝が記憶力や集中力などが高いという理にかなった理由があります。ですので、子どもだけではなく、大人にも朝読書は有効です。
特に良いのは、朝目が覚めてからの数分間の間に読書を始めることです。通勤時の読書よりも効果があります。朝読書の効果とメリット・デメリットについて解説します。
朝読書の効果|メリットとデメリット
「朝読書」とは、学校(小中高)の授業が始まる前の10分間で、生徒と教師がそれぞれに読みたい本を読むという朝の読書運動のことです。1988年に千葉県の高校の先生が提唱し、全国の学校に広がったものです。個々の学校や担任ベースでは、1970年代からすでに行われていました。
ちなみに朝の読書推進協議会では、「1.みんなでやる・2.毎日やる・3.好きな本で良い・4.ただ読むだけ」4原則で実施することを推奨している。つまり、感想文は書いていません。
朝読書の効果のデータ
朝の読書運動では、特に小学校での定着が際立っています。2020年3月の「朝の読書推進協議会」では、小学校で15,956校、中学校が8,397校、高校では2,187校が実施しています。公開されているデータでは、2006年6月の実施状況は、小学校で14,151校、中学校で6,374校、高校で1,513校です。
朝読書の効果として、学校のデータからは「本を読まなかった子が読書好きになった」「読書をすることで子どもたちに落ち着きが出てきた」「語彙が豊かになった」などの声があります。また、遅刻が減っているということがあったことは興味深いものです。
朝読書の効果は大人にもある
朝読書の効果があるのは、子どもに限りません。社会人、大人にも有効です。朝読書が有効なのは、実に合理的な理由からです。朝読書が効果があるとされるのは以下の点です。
1)朝の読書が脳の活性化につながりやすい:脳の活性化
2)朝の読書は1日の始まりにリラックス効果をもたらす:ストレス軽減
3)創造性を刺激しやすい
4)朝の読書は自己啓発に役立つ
5)語彙力・文章力の向上
朝は脳内がリセットされ整理されているので読書に向いている
大人は子ども以上に考えることが多いです。しかし昨夜まで仕事のこと・人生のことなど、新しく覚えたことや困っていることなど、たくさん考えて疲れていたはずなのに、朝起きたときには脳内がリセットされ整理されてる感覚を感じることがあると思います。
夜寝ている間に脳は休息し、新たな情報を処理するための空間ができます。朝に目覚めると、頭がスッキリとしていて、集中力や注意力が高まっているのです。
整理された感覚とは昨日までのインプット情報や考え込んだ情報が、脳の中で整理されたことが原因となっています。つまり新しい情報が入ってきやすい状態になっています。
そういう脳の状態は、朝読書をすると、スムーズに読み込んでいけることで、実感するはずです。
朝読書のメリット
脳内が整理されスペースが生まれたところに、読書のインプットがあるところをイメージしてください。
読書内容を理解しやすいと感じたり、強い意識を持たずとも集中できていたりなどと、感じるはずです。その結果、仕事を始める時間には、脳の回転数が上がり、程よいモチベーションが上がっていることを感じるようになります。これが朝読書の大きなメリットです。
続くメリットしては、朝読書から得た知識情報が、今日1日の中で、行動として実践されやすくなる可能性も高くなるということがあります。また知識は行動を伴うことで、自分のものになりますので、とても良い相乗効果も生み出すことになります。
以上のメリットを感じる頃には、自分の語彙力が高くなっているという効果を感じるはずです。これも朝読書のメリットといってよいでしょう。
語彙力は国語力の基本となるものです。学生であろうと社会人であろうと、語彙力は勉強や仕事の基本となります。学生ならば、語彙力が高くなることで問題文の意味を理解しやすくなるはずです。社会人なら上司や顧客が発した言葉の意味が理解できるようになっているはずです。
朝読書の効果的なタイミングは|大人の場合
朝の読書運動の小学生中学生の子どもたちは、授業が始まる前・ホームルームの前の時間帯に朝読書を行っています。
社会人の場合なら、通勤途中の電車の中や、会社に少し早く出て始業時間の前、ということになりそうです。しかし朝読書の効果を最強にするのなら、「朝起きたら、すぐ」です。
朝、目が覚めてカーテンを開ける、少しぼんやりしてた頭がだんだんとクリアになってくる、このタイミングで「10分でも15分でも読書する」のが、最強のタイミングです。
この最強のタイミングを逃すと、人は考えても仕方がないことを考え始めます。ですから、朝一番の一番頭がクリアな時に、良い知識情報をインプットするのが朝読書の効果を最大にします。
いつもの朝は、顔を洗って、朝ごはんを食べて、着替えをして出かける、というルーチンの中で、余計なことをたくさん考えていませんか。顔を洗いながら、昨日までの変えられない出来事にクヨクヨし、まだ起きていない今日や明日のことに必要以上にドキドキハラハラと、するようにできています。
朝読書の後に、顔を洗い、ご飯を食べる・・・いつもなら頭の中を支配しがちなネガティブなことが、朝読書でインプットした知識情報を考えるように変わっていきます。
朝読書の効果的な方法
朝読書を効果的に行うための方法を以下に示します。
目標設定と習慣化の重要性
朝読書の目的や目標を明確に定めることは、効果的な朝読書のスタート地点です。目的や目標を明確に定めることで、具体的な方向性が明確になります。また、目標を追いかける過程で自己成長を感じることができます。自分自身のニーズやライフスタイルに合わせた目標を設定してください。
読書環境の整備
朝読書を効果的に行うためには、読書環境の整備が重要です。
具体的には、「静かで集中しやすい場所を選ぶ」「快適な姿勢や照明を整える」「音楽や自然の音など、集中を助ける環境オンも利用する」「スマホや他のデバイスを使用しない」「本棚や書籍整理する」などです。
適切なジャンルや内容の選択
自分が興味を持っているジャンルを選ぶことで、読書へのモチベーションが高まります。目覚めたばかりの朝は、頭がクリアで集中力が高まっています。目覚めた後の頭がすっきりしている時間帯に挑戦的な本を読むのがおすすめです。
心地よいストーリーの本でリラックスする
小説やエッセイ、旅行記など、ストーリー性のある本は心を和ませ、朝の穏やかな時間を作り出します。朝の読書でリラックスしたい場合は、心地よいストーリーの本を選ぶと良いでしょう。
朝読書にデメリットはないのか
良いことばかりに聞こえる朝読書ですが、デメリットはないのだろうか。実践者が100%じゃないのはなぜなのかと思う人もいるかもしれません。
デメリットとは少し違うかもしれませんが、毎日続けることが難しいということがあります。
朝読書は習慣化するまでに時間かかる
朝起きたばかりの数分間のうちに朝読書を始めるのが、ベストなタイミングです。しかし、朝目覚めて数分後には「10分間の朝読書をして」と決めておいたにもかかわらず、実行することを忘れてしまいます。何度か実行できたり忘れたりを繰り返しているうちに、マインドが下がってしまうかもしれません。
人間は新しい習慣を身につけるまでに3ヶ月かかるのです。3ヶ月以上たったのに身についてなかったときに判断してください。一つの習慣を意識しなくてもできるようになるには66日もかかるのです。
朝忘れずに実行できるように、目覚ましや張り紙などで、仕掛けをしておく必要があります。そこまでもして実行するほうが得ですよ。
朝読書は時間が取りにくい
あと10分、あと5分、といって起きる時間を先延ばしする癖がある人・朝は弱いという人は、朝読書を定着させるのには、時間がかかりそうです。ただし、殆どの場合、そのタイプの人は、夜寝るのが遅い傾向があります。明朝の朝読書のために早く寝ようと決めて、30分でも早く寝ることです。
もし今の自分から「レベルアップさせたい」と考えているのなら、朝の10分を寝ようとする自分と戦ってください。朝の読書には、それだけの価値があります。
まとめ
人の脳は、朝起きてから夜寝るまでの間に毎日たくさんの情報がインプットされます。そして、その情報をもとに、悩んだり、考えたり、などを繰り返しています。
夜の睡眠中は、脳の中で、昼間にインプットされた情報が散らかっている状態から、整理をしている時間帯です。そして翌朝になると、頭の中が整理されて、今日の情報をインプットしていけるようにスペースができています。
朝の読書の効果が高いのは、この状態で読書をしていけるからなのです。毎日朝10分〜15分の朝読書を習慣にできると、数カ月後がとても楽しみです。
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