クリティカルリーディングの日本語訳は、「批判的」だからと言って、否定しながら読むわけでありません。
むしろ深く理解をするための読み方です。
当記事ではクリティカルリーディングの意味と、具体例を紹介します。
クリティカルリーディングとは?読み解く能力を高める方法
以前はビジネスマンの思考法といえば、ロジカルシンキングでした。
ロジカルシンキングとは、結論と根拠から物事を考え理解する思考方法です。
クリティカルシンキングとは、普段無意識におこなっている行動や前提条件に偏りはないか等に疑問を持ち、評価・検証を行い理解するという思考方法です。クリティカルリーディングは、その考え方に基づいて読み取る方法です。
クリティカルリーディングとは?意味
クリティカルリーディングとは、日本語にすると「批判的読書」になります。
ただ実際の意味としては、批判ではなく「評価」に近い意味があります。つまり文章を読むときに、一字一句を正確に読みとって分析的に理解し、書き手の見解を評価するものです。
一般的に読書といえば、文章を読んで意味を理解するという受動的な読み方をしています。クリティカルリーディングでは、内容を分析し、評価し検討しながら読むという能動的な読み方をします。
単に読むのではなく、分析的に読むのですから、事前準備が必要です。言葉の意味を知ることは当然です。その文章が書かれた背景を調べる必要もあります。日本ではまだこれからという印象があります。
アメリカでは子供の教育でも既に行われています。OECDのPISA(学習到達度調査)の読解力の採点基準にも採用されています。日本人の読解力が弱い部分はクリティカルに読むという教育がされていなかったからです。
クリティカルリーディングは国語において重要なスキル
クリティカルリーディングとは、文章を読むときに、その内容や論理を批判的に分析することです。国語の勉強において、クリティカルリーディングはとても重要なスキルです。
なぜなら、クリティカルリーディングをすることで、文章の意図や背景を理解したり、自分の考えを明確にしたり、他者の意見に対して論理的に反論したりできるからです。クリティカルリーディングは、ただ文章を読むだけではなく、読んだ文章に対して自分の頭で考えることです。
そのためには、文章の構造や論証方法に注意したり、自分の知識や経験と照らし合わせたり、他の情報源と比較したりする必要があります。クリティカルリーディングは、国語だけでなく、社会や科学などの他の教科でも役立ちます。また、日常生活や社会参加においても、クリティカルリーディングは必要不可欠な能力です。
メディアやインターネットにはさまざまな情報が溢れていますが、その中には間違ったり偏ったりした情報もあります。そうした情報に惑わされずに、自分で判断できるようになるためには、クリティカルリーディングが必要です。クリティカルリーディングは国語において重要なスキルですが、それだけではありません。クリティカルリーディングは、自分の思考力や表現力を高めるためのスキルです。そして、それは人間として成長するためのスキルでもあります。
クリティカルリーディングと書き方の関係性
クリティカルリーディングと書き方の関係性について、以下の3つのポイントが挙げられます。
1)クリティカルリーディングを身につけることで、文章の内容をより深く理解し、自分の考えをより明確に伝えることができるようになります。
2)書き方を身につけることで、文章をより効果的に伝えることができるようになります。
3)クリティカルリーディングと書き方は、どちらも社会生活や仕事において必要不可欠なスキルです。
クリティカルリーディングと書き方は、どちらも文章を理解し、自分の考えを形成する能力を身につけることです。しかし、クリティカルリーディングは文章の内容を理解することに重点を置いているのに対し、書き方は文章を書くことに重点を置いています。
クリティカルリーディングを身につけることで、文章の内容をより深く理解し、自分の考えをより明確に伝えることができるようになります。また、書き方を身につけることで、文章をより効果的に伝えることができるようになります。
クリティカルリーディングと書き方は、どちらも社会生活や仕事において必要不可欠なスキルです。クリティカルリーディングと書き方の両方を身につけることで、より豊かで充実した人生を送ることができるでしょう。
クリティカルリーディングについての本を紹介
クリティカルリーディングに関する本も10数年前から書店に並ぶようになりました。それ以前は、ロジカルシンキング(論理的思考)がビジネスの基本とされていました。今後は、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングがビジネスの基本になると言われています。ロジカルシンキングは、論理的的思考と言います。物事の結論と根拠に着目し、物事を理解する思考法です。
クリティカルリーディング (NHK出版新書)
NHK出版新書から10年前に出版されている「クリティカルリーディング」がよく知られています。
クリティカルリーディングに目覚めた人には、今で読まれています。読解力に自信を持てないという人にはぜひおすすめしたい一冊です。本書で書かれている内容は、著者の思考に着目し、論理的にどのように表現されているのかを把握するということです。著者の論証を探し出すのです。練習問題もあり、文章の本質を見抜くスキルを覚えられる本です。
クリティカルリーディングの具体例
クリティカルリーディングの論文に対する具体例と紹介します。一つの基本的な例として次のような流れになります。
1)著者の主張に着目します。中心としているテーマや重要な説明についてです。なぜこの点に注目したのか、理由を明確にします。
2)読む前と読みながら感じる疑問点に注目する。答えを探すことを意識し読書を進める。
3)書かれている内容について検証する。矛盾がないか、事実に基づいているか。
4)もし異論があれば、根拠を明確にして主張する。
字面だけを眺める読書に慣れてしまい、本を読んでも頭に入ってこないという人は、クリティカルリーディングをおすすめします。
ある意味では少し面倒な読み方をすることで、読解力が格段にアップします。頭に入ってこない状態で何冊も本を読むよりも1冊の良書をクリティカルリーディングで読む方が、本の内容はよく理解できるはずです。
クリティカルリーディングの例題
クリティカルリーディングの例題を紹介します。次の文章を読んで、質問に答えてください。答えを考えることが重要です。
「日本では、子どもの読書量が減っていると言われています。読書量が減ると、語彙力や理解力が低下し、学力にも影響すると考えられます。しかし、読書量だけを増やすことが必ずしも良いとは限りません。読書の質も重要です。読書の質とは、読む本の内容やレベル、読む目的や方法などを指します。読書の質を高めるには、自分に合った本を選び、興味や関心を持って読むことが大切です。また、読んだ本について考えたり感想を書いたりすることも有効です。これらのことは、読解力や批判的思考力を養うのに役立ちます。」
Q1. この文章の主な内容は何でしょうか。
A. 子どもの読書量が減っている原因と対策
B. 読書量よりも読書の質が重要である理由
C. 読書の質を高める方法とその効果
D. 読解力や批判的思考力を養うための読書
Q2. この文章で「読書の質」とはどういう意味で使われていますか。
A. 読む本の内容やレベル、読む目的や方法など
B. 読む本のジャンルや分野、読む時間や場所など
C. 読む本の面白さや難しさ、読む速度や回数など
D. 読む本の価値や評価、読む感情や印象など
まとめ
クリティカルリーディングをするということは、よく考えて読むことになります。評価や検証をしながら読むのですから、普通の読書スタイルに慣れている人からすると、面倒な読み方に感じると思います。
しかし、1冊の本に対する理解度はまるで違うものになります。
自慢げに、「何100冊の本を読んだ」という人もいますが、その内容をどれだけ理解しているのかについて、覚えていない人が少なくありません。
クリティカルリーディングには、同じ本を3回精読する以上に理解度が上がります。試してみてください。
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