クリティカルリーディングの日本語訳は、「批判的」だからと言って、否定しながら読むわけでありません。
むしろ深く理解をするための読み方です。
当記事ではクリティカルリーディングの意味と、具体例を紹介します。
クリティカルリーディングとは?具体例
以前はビジネスマンの思考法といえば、ロジカルシンキングでした。
ロジカルシンキングとは、結論と根拠から物事を考え理解する思考方法です。
クリティカルシンキングとは、普段無意識におこなっている行動や前提条件に偏りはないか等に疑問を持ち、評価・検証を行い理解するという思考方法です。クリティカルリーディングは、その考え方に基づいて読み取る方法です。
クリティカルリーディングとは?意味
クリティカルリーディングとは、日本語にすると「批判的読書」になります。
ただ実際の意味としては、批判ではなく「評価」に近い意味があります。つまり文章を読むときに、一字一句を正確に読みとって分析的に理解し、書き手の見解を評価するものです。
一般的に読書といえば、文章を読んで意味を理解するという受動的な読み方をしています。クリティカルリーディングでは、内容を分析し、評価し検討しながら読むという能動的な読み方をします。
単に読むのではなく、分析的に読むのですから、事前準備が必要です。言葉の意味を知ることは当然です。その文章が書かれた背景を調べる必要もあります。日本ではまだこれからという印象があります。
アメリカでは子供の教育でも既に行われています。OECDのPISA(学習到達度調査)の読解力の採点基準にも採用されています。日本人の読解力が弱い部分はクリティカルに読むという教育がされていなかったからです。
クリティカルリーディングについての本を紹介
クリティカルリーディングに関する本も10数年前から書店に並ぶようになりました。それ以前は、ロジカルシンキング(論理的思考)がビジネスの基本とされていました。今後は、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングがビジネスの基本になると思われます。ロジカルシンキングは、論理的的思考と言います。物事の結論と根拠に着目し、物事を理解する思考法です。
クリティカルリーディング (NHK出版新書)
NHK出版新書から10年前に出版されている「クリティカルリーディング」がよく知られています。
クリティカルリーディングに目覚めた人には、今で読まれています。読解力に自信を持てないという人にはぜひおすすめしたい一冊です。本書で書かれている内容は、著者の思考に着目し、論理的にどのように表現されているのかを把握するということです。著者の論証を探し出すのです。練習問題もあり、文章の本質を見抜くスキルを覚えられる本です。
クリティカルリーディングの具体例
クリティカルリーディングの論文に対する具体例と紹介します。一つの基本的な例として次のような流れになります。
1)著者の主張に着目します。中心としているテーマや重要な説明についてです。なぜこの点に注目したのか、理由を明確にします。
2)読む前と読みながら感じる疑問点に注目する。答えを探すことを意識し読書を進める。
3)書かれている内容について検証する。矛盾がないか、事実に基づいているか。
4)もし異論があれば、根拠を明確にして主張する。
字面だけを眺める読書に慣れてしまい、本を読んでも頭に入ってこないという人は、クリティカルリーディングをおすすめします。
ある意味では少し面倒な読み方をすることで、読解力が格段にアップします。頭に入ってこない状態で何冊も本を読むよりも1冊の良書をクリティカルリーディングで読む方が、本の内容はよく理解できるはずです。
まとめ
クリティカルリーディングをするということは、よく考えて読むことになります。評価や検証をしながら読むのですから、普通の読書スタイルに慣れている人からすると、面倒な読み方に感じると思います。
しかし、1冊の本に対する理解度はまるで違うものになります。
自慢げに、「何100冊の本を読んだ」という人もいますが、その内容をどれだけ理解しているのかについて、覚えていない人が少なくありません。
クリティカルリーディングには、同じ本を3回精読する以上に理解度が上がります。試してみてください。
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