学生時代は話をする相手は同年代で友人が中心です。つまり整理された話し方でなくとも、何となく分かってくれる関係性の人たちです。立場や年代が近いことで分かりやすい関係性だったからです。
しかし社会人になると、社内でも違う年代の人や立場の違う人しかいない環境になります。相手にわかりやすく伝わりやすい話し方をしないと上手くコミュニケーションが取れないこともあります。
社外になれば、さらに伝わりやすさを意識しないと仕事がうまくいきません。
職場環境や人間関係、そして仕事の成果が出ないことで、転職をする人は多いですが、大きな原因の一つは要点を絞ったわかりやすい話し方をしなかったことにあります。話し方を改善しなければ、転職をしても状況は改善しません。
要点を絞る話し方の具体的な使い方
家族や友人と話す場合と、会社で仕事に関連する話をする場合では、話し方が違います。上手くコミュニケーションが取れない人や、営業で成績が上がらない人は、この点が理解されていない可能性があります。
丁寧に話すことを意識している人はいますが、相手にとって分かりやすいことや要点に絞って話すことを意識して話している人は一部の人です。そして、それだけで彼らは仕事ができる人という評価を得ています。
社会人の話し方の基本は、要点を絞って話すことです。以下、要点を絞る7つの話し方について紹介致しますので、お役に立つと幸いです。
1.要点を絞る話し方は結論から話す|次に理由・具体例
結論から話す事は、論理的に話すとも言われることです。また分かりやすいとされる文章構成のPREP法も、「結論ー理由ー具体例ー結論」という構成からなっています。
人は先に結論を聞くことで、何の話をされるのかが分かってから話を聞くことで分かりやすくなります。この方法に対して、分かりにくいとされるのが、小説の形式で「起ー承ー転ー結」です。最後まで話を聞かないと、何の話か分かりません。
ですから相手が誰であっても、仕事関連で話すときには、要点を絞って結論から話すことです。そして、その理由と具体的な事例へと進んでいくと、何を言いたいのか伝わる話し方になります。
2.要点を絞るには自分で3つと仮定して話す|詳細情報は後に
相手に伝えたいことが仮に5つ6つとあったとしても、その中から特に重要なこと3つに要点を絞って下さい。少ない数に絞った方が相手にいいたいことが伝わりやすくなります。
要点を絞るとは、「整理する」「範囲を狭める」等の意味があります。裏返して考えてみてください。要点を絞る話し方とは、話さないことを決めることでもあります。
例えば整理するのは次のような項目です。
・具体的事例や詳細情報
・補足情報
・重要度順位が後順位の情報
これらの情報は、伝えなくてよいのでは有りません。それは相手がこちらから発信した絞り込んだ3つの情報(例えばです)に関心を持ってくれたあとで良いということです。
伝える場面や相手の状況によります。場合によっては、3つより2つのほうがいいかもしれません。
3.聞かれたことに要点を絞る|聞かれていないことで重要ポイントがある場合は
相手からの質問に答える場面では、最初に聞かれたことに絞り込んで答える事です。場面によっては、効果的なはずの「気を利かせたつもりの先回りした話し方」でもNGのことがあります。
相手側に緊急的状況があるときには、要点を絞る話し方ではない場合に、相手は自分が聞いたことに答えていないと判断し印象を悪くします。
まず聞かれたことに答えることです。関連して大事な情報がある場合は、「その事に関しては重要な事があります。今、お伝えしてよろしいですか?」と確認することです。
相手にとって重要度が高い場合、時間を取ってくれるはずです。あるいは文書で下さいと言われるかも知れません。相手に今すぐ時間がないタイミングの場合、耳に入れておいた方がいいという善意からの行動でも、印象を悪くすることがあるからです。
また気づいているのに伝えないのは、最悪のNGです。その場合、信頼関係を壊す可能性があります。
4.要点を5W1Hに絞る話し方|極力数字で表現して話す
要点を絞る話し方では、伝わりやすいこと分かりやすいことが重要です。一般的に分かりやすいとされるのは、5W1Hに当てはめて話す話し方です。
誰が・いつ・どこで・何をした・理由(原因)は・どのように、というパターンに分解されていることで、分かりやすいのです。また形容詞や副詞を含んだ話し方は、主観的で曖昧表現になりやすいので注意です。
5.要点を絞る=箇条書きイメージでもOK
話す言葉でも書かれた文章でも、分かりにくくなる原因の一つが、一文が長すぎることです。接続詞で、つなげられた文章は、途中で何を言いたいのか分からなくなる典型的な文章です。
今は、一文の適正長さは30文字〜50文字とされています。かなり短いので、箇条書きのイメージに近いかもしれません。
長い文章はNGと決めて、分かりやすさを意識すると、箇条書きのような文章になってくるはずです。相手にとっては非常に分かりやすくなり、伝わりやすいです。
しかし文字数は少なくなりますので、少ない文字でも表現できる語彙力も社会人には必要な能力です。同じ意味でも短い言葉で言い換える事です。たくさん言葉を知ることも社会人には必要です。
6.要点を絞る話し方|報告(事実)と意見は明確に分ける
相手に伝えるときに、要点として伝えることが事実や客観性に基づくことなのか、報告者・相談者としての自分の意見なのかを明確に分けることがとても大事です。
相手が上司や取引先や顧客の場合、自分の意見を客観的な事実として、何かを決断する根拠としてしまった場合、後に大きなトラブルや問題に発展することがあります。
例えば、事実とは違う自分の意見として発信した場合、相手からは「うそをいった」と責められる可能性があります。
「こういう事実がありますが、自分の意見としてはこう考えます。なぜならこういう背景や理由があり、具体的な事例もあるからです。」としておくべきなのです。
7.要点を絞るときには詳細情報を後で伝えることできると示しておく
限られた時間しかないとき、要点を絞って話すことを求められているときは、さらに要点を絞る話し方をする事になります。言い換える言葉を上手く使えても、伝えられる情報量は少なくなります。
その場合、詳しい情報の中に重要な事が未だあるということについて、触れておくのが良い話し方です。
「要点はこうなります。ただ関連する詳細情報の中にも大事な点があり、相手の判断に大きく影響する可能性があります。その詳細情報について説明できる準備はあります。」等と、伝えておくことで、レベルの高い仕事をしてくれている人だという評価をしてくれます。
要点を絞る話し方が必要な理由とメリット
冒頭に紹介したように、要点を絞る話し方ができていないと、職場での人間関係や仕事の成果・評価に大きく影響します。話し方がうまくできていないことで、仕事ができない人という評価をされている事例は決して少なくはありません。
要点を絞る話し方が必要な理由
よくあるケースでは、「ちょっといいですか」から、どこに向かっているのか分からない話し方をしている場合があります。せめて「ちょっといいですか。何々の件についてです」と話す方が良いです。要点を絞るということです。その理由は以下に示す3つの理由にあります。
・聞き手の理解を促進する
・時間の節約
・相手にアピール
聞き手の理解を促進しわかりやすくする
聞き手が理解しやすいように、要点を絞って話すことが重要です。長くて複雑な説明は聞き手に混乱をもたらし、伝えたいことがうまく伝わらないことがあります。要点を絞ることで、聞き手がより簡単に理解できるようになります。
時間の節約
要点を絞ることで、コミュニケーションにかかる時間を節約できます。長い説明は時間がかかり、相手の時間を奪ってしまうことがあります。要点を絞ることで、必要な情報を短時間で伝えることができるため、コミュニケーションの効率が向上します。
相手にアピールする
要点を絞った話し方は、相手にアピールするための重要な要素です。相手が求めている情報を的確に伝えることで、相手に対して信頼を得ることができます。また、要点を絞った話し方は、相手に自分自身をアピールするための機会を与えます。自分のアイデアや考え方を簡潔にまとめ、相手に興味をもってもらえるようにすることができます。
要点を絞る話し方のメリット
要点を話し方をすることで生まれる具体的なメリットがあります。
コミュニケーションのクオリティが向上する
要点を絞ることで、伝えたい内容を明確に伝えることができ、聞き手も理解しやすくなります。その結果、コミュニケーションのクオリティが向上します。
効率的なコミュニケーションが可能になる
要点を絞ることで、必要な情報を短時間で伝えることができます。そのため、コミュニケーションの効率が向上します。また、相手の時間も節約できるため、相手にも好印象を与えることができます。
相手に与える印象が良くなる
要点を絞った話し方は、相手に与える印象が良くなります。的確に情報を伝えることで、相手に対して信頼を得ることができます。また、簡潔にまとめたアイデアや考え方は、相手に興味をもってもらえることが多いため、相手とのコミュニケーションをより深めることができます。
まとめ
社会人が仕事上で話すときの話し方は、友人同士の話し方とは明確に違います。
話し方は要点を絞る話し方が必要です。要点が絞れていないと、いくら丁寧な言葉を使い、力説したとしても、伝えたいことが相手に伝わりません。
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