高校生になると中学生の頃よりも読書する人が減ってしまいます。
どれだけの種類の本を、どのくらいの頻度で読んだのか、高校生のあなたの人生に強く影響してきます。
本を読むことには意味がないと思いこんで、読まなくなってしまう人がいます。何故かそのような誤解をしてしまう人がいます。学校の勉強は広く浅く勉強しますので、人によっては社会人になってから使わない知識情報を勉強させられていると思う人もいるのかもしれません。
しかし読書に関しては、マンガ以外の活字の本を読んでいる限り、無駄になることはほとんどありません。むしろ学力アップのためには国語力アップが最優先であり、国語力(読解力・語彙力・文章力など)アップには最適な方法が読書なのです。
本を読む経験が少ない人は、読解力と語彙力が不足傾向にあります。読解力が不足していると、相手が話す言葉や相手が書いた文章から相手の気持を察することができなくなります。語彙力が不足すると、相手が発する言葉の意味がわからなかったり間違えて理解してしまいます。また語彙力がないと言葉や文章で表現することも苦手になってしまいます。また試験問題が何を質問しているのかも誤解したり理解できなくなってしまうのも、語彙力と読解力が不足しているからなのです。
頭が良い悪いの問題ではなく、語彙力と読解力が不足していることが原因となっている場合が非常に多いのです。
高校生へおすすめする本|読解力・語彙力に差がつく
勉強時間と読書時間といえば、高校生は勉強時間を優先するのかもしれません。しかし自分の時間を勉強時間にだけ向けるよりも、毎日1時間でも30分でも良いので勉強を時間を削ってでも読書時間を持つべきです。
本を読むことは国語力の基本
国語力の中心となるのは、語彙力であり読解力です。語彙力が不足していると先生の発した言葉や文章が正確に理解できません。社会人となってからも、上司や顧客が話すことやメールなどの文章に対する読解力や語彙力は、社会人の基本中の基本となるものです。
しかし残念ながら、一般的に高校生以降から読書量は激減しているのが実情です。大学生や社会人に至っては、1ヶ月に1冊の本も読まないという人が半数近くもいるのです。その結果、世の中には言葉の意味がわからないという語彙力不足の人がたくさんいます。また相手が何を言っているのか、あるいは文章で何を書いているのかを理解していません。
正確には低い語彙力と読解力によって、不正確に意味を理解したつもりになって、仕事をしたり行動しています。その結果、仕事はうまくいかず、人間関係にも悩み、苦労している人が多いのです。「私は頭が悪いから・・・」という思い込みをしている人がいますが、実際には語彙力や読解力という国語力の基本が低いために苦労しているのです。
学校の試験問題を解くときに、ケアレスミスによって分かっていたはずの答えを間違えた経験はありませんか。つまり読解力不足と語彙力不足による誤解や勘違いをしているのです。本を読んで、活字を読んで理解することに熟練していないからです。
また本を読むのが苦手という人は、読みやすい小説を読んでみてください。知識や情報得るには、ビジネス書や専門的な本が良いですが、読解力などの国語力(考える能力・読解力・語彙力など)を高めるには、物語が良いです。フィクションでもノンフィクションで良いです。
社会人になってからも読解力などの国語力は、仕事をする上で、より重要なものになります。しかし高校生にも、いずれの教科であっても課題文を読んで正しく理解できる能力は、最も基礎となる重要な能力です。
高校生におすすめの本|恋愛小説でも読解力は高まる
恋愛小説なんか読んでも勉強にならないと思う人がいるかも知れませんが、読解力を高めるということは、相手の心を想像することでもあります。言葉にしていない声を知ることは人間関係に強く影響しますし、社会人になってからの仕事で必須になります。恋愛小説ばかりを読んでいるのでは、偏ってしまいますが、適度に読むことをおすすめします。
君の膵臓をたべたい
有名な作品なので読んでいる人は多いと思います。タイトルで先入観を持ってスルーしていた人は、ぜひ一読してみてください。ぜひ考えながら読んでみると良いです。
世界の中心で、愛をさけぶ
こちらも高校生が主人公の恋愛小説。とても有名なベストセラーです。まだ読んでいない方は、ぜひ一読をお勧めします。愛する人を亡くする気持ちを感じることができるかもしれません。
今、会いにゆきます
妻に先立たれた主人公と息子の生活が1年たったころ、なくなったはずの妻(?)が現れます。しかし以前の記憶がないところから物語が進んでいきます。涙なくしては見られない。
高校生におすすめの本|きっと感動する
感動する物語は恋愛小説のカテゴリとも重なりますが、人間としての愛や感動を感じられる本を紹介します。
ツナグ
死んでしまった誰かと一晩だけ会えるというファンタジーのようなストーリーですが、感動したい考えるならおすすめの一冊です。恋愛や友情、それに家族の愛に、泣いてしまうかもしれません。
夏の庭ーThe Friends
小学生と一人暮らしの老人の物語です。小学生が老人の世話をしながら観察をし始めます。そして観察のはずだったのに、小学生と老人の関係性は変わっていきます。そして老人はなくなる時が来ます。
星やどりの声
ある家族の物語です。どこの家族にも起こることです。家族の一人がなくなったら、自分はどう生きるのか、考えてみると良いです。残された家族はそれぞれの思いを抱えて生きていきます。自分にも起こることですので、考えながら読むと良いです。
高校生におすすめの本|人生を変える
ある本との出会いが自分の人生を変えることがあります。高校生は人生が始まってから、それほどの時間は経過していませんが、すでに色々な思いや考えを持っているはずです。本は読んだ人に疑似体験や追体験をさせます。疑似体験であっても、それが経験値となり、人生が変わっていく可能性があります。
嫌われる勇気
内容は実は哲学や心理学に関することです。少し難しいと感じる部分があるかもしれませんが、誰にでも起こる人間関係について書かれています。ただ人によってはかなり厳しいと感じる内容でもあります。人によっては人生が変わるきっかけになったという方もいます。そういう考え方もあるのだなというスタンスで読むと良いと思います。
君たちはどう生きるのか
マンガにもなっているので、すでに読んでいる人も多いかもしれません。最初の出版は80年も前になります。しかし表現されている人生のテーマは今と変わりません。そんな事は知ってるよ、と言いたくなる場面も多いかもしれません。しかし知っていてもうまく出来ていない自分にも気がつくはずはずです。
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方
人が人生の最後の場面で何を思うのか。最後の場面に立ち会うお医者さんによれば、最も多くの方に共通しているのは、「もと色々やればよかった」という後悔なのだそうです。大学卒業が間近になってもまだ将来の自分について想像できていない人もいます。高校生のうちにやりたいことが見つけられると人生は変わるのかもしれません。早いうちに決めたとしても、途中で間違いに気づいたら方向修正をすれば良いのです。
最もマズイのは、失敗を恐れるがゆえに、何も決められず時間だけが過ぎ去ることです。
高校生におすすめする本|読むべき小説
カテゴリー分けしにくいが人気のある小説、よく読まれている小説に注目し紹介します。高校生のうちに読んでおくと良いと思います。
夜のピクニック
第2回本屋大賞を受賞した作品としても知られています。ほぼタイトル通りの内容で、高校生が夜通しで80キロを歩くというイベントの中で、起きてくる高校生の人間関係が描かれています。歩行祭は、著者の母校で行われている「歩く会」がモデルになっているようです。
夜中に80キロを歩くという特別な非日常。大事件が起こるわけではありませんが、非日常の中で人間関係が繰り広げられていきます。
上京物語 僕の人生を変えた父の5つの教え
父から息子へのエール。新幹線に乗って東京へ向かう途中で父から渡された本を読みます。父が息子に小説の形を借りて、教えを書き綴っていたのです。そして文中にも出てきますが、これから未来が始まる若者に向けて書かれているのです。
高校生におすすめする本|心理学
心理学について興味を感じている方や大学で勉強したいと考えている方におすすめします。心理学というと相手が何を考えているのかを知ることや心理テストなどのイメージが強くあるかもしれません。しかし心理学とは統計学的な学問なのです。
相手の心を知るのであれば学術的な学問としてはありませんが、行動心理学と言われる関連書籍を読んでみるのもおすすめです。
しかし学術的な学問として勉強をしたいと考えるなら選択する書籍も違うものになります。また様々な分野とアプローチによって、社会心理学から臨床心理学や教育心理学など異なったものになります。当記事で紹介するのは心理学の入門書的な位置付けとして高校生のうちに読んでおくと参考になる書籍です。
高校生に知ってほしい心理学
心理学とはどういうものなのか、大学で学べることはどんなことなのか、どのように活かすことができるのかなどについて解説されています。心理学に興味を持ち勉強してみたいと考える方におすすめです。
高校生のための心理学講座
様々な実験の事例等から、心の仕組みについて解説してくれています。嘘をつく仕組みや嘘を見抜く方法などは実生活でも役立てることができます。
高校生におすすめする本|経済学
大学で経済学部を目指すという人に限らず、経済についての知識情報は社会人になってから不足していると困るものです。学んでおくべきです。仕事においても、実生活においても役立つ知識です。
高校生のための経済学入門
残念なことに日本の義務教育では、経済に関する勉強はほとんどなされていません。高校の「政治経済」でかろうじて基礎的な知識を得ることはできますが、大事なことという認識がされていません。しかし現実社会では、仕事においても実生活においても日々経済に関することが身の回りに溢れています。お金に関する知識や経済や税金の知識を多くの人は持っていません。そのために大人になってから苦労する場面が多いのです。
池上彰のやさしい経済学
池上彰さんが日常生活の視点から、経済学の基本について解説しています。本書は2巻目も高評価ですので、読んでおくことをお勧めします。
まとめ
当記事を読んでいるあなたはきっと高校生なのだと思います。どんな本を読んだらいいかなと思って、ネット検索をしているうちに、当記事へと到着したのでしょう。
当記事では、高校生の方におすすめする本を、いくつかの切り口で紹介しています。
高校生の方々は、学校を終えて自宅に戻れば、一休みした後は受験勉強や試験勉強のための時間を過ごしていることと思います。しかし冒頭に書きましたように、できれば勉強時間を少し削ってでも本を読んで欲しいのです。
それは現在の学力アップにもつながりますし、将来のためでもあります。社会人になるとビジネス書ばかり読む人がいるように、高校生は勉強はしても本は読まないという人もいるのかもしれません。
実は読書をすることは単なる趣味ではありません。読書をすることで、読解力と集中力が高まるようになります。これは脳科学者が公表していることです。勉強だけをしている方よりも、毎日30分か1時間読書している人の方が読解力が高く、学力も高いのです。
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