本を読むことは、小中学生にとても重要なことだと考える大人が多いです。文化庁の「国語に関する世論調査」の結果でも明らかです。
しかし社会人は学生のような学習する環境(義務教育)がなくなり、自ら行動をすることでしか学べる環境がありません。本を読むことは仕事の時間に追われる社会人には、数少ない学びを得る方法なのです。ですが現実には高校以降から読書量は激減し、社会人になると月に1冊の本を読まないという人が半数近くにもなります。
そして社会人の読書不足は仕事の場面で、成果を出せないことや仕事の失敗につながっていきます。もっとも根本的な問題では、読書不足の社会人は漢字を読めないし言葉の意味を理解していない状態になっていることです。
本を読んでないために言葉の意味が分からない人は、上司や同僚が話す言葉の意味を独自の解釈で分かったつもりになって誤解していることが多いのです。社会人になって、仕事や人間関係がうまくいくように期待するなら、社会人こそ本を読むべきなのです。
社会人が読むべき本|本を読まない社会人は苦労してる
学生時代には、コミュニケーションを取る相手は同年代がほとんどです。しかし社会人になると、自分の親以上の年齢の相手ともコミュニケーションをとる場面が多くなります。雰囲気だけでなんとなく分かり合えていた年代とは違います。言葉で明確に表現してコミュニケーションをとる必要があるのです。
ですので相手と理解し合えるために、本を読んで言葉の意味を知り語彙力を高めておく必要があります。またメールの文章で活字で相手に伝える場面が非常に増えます。ですので文章力も必要になります。どちらも本を読んでいれば自然と身についていく能力です。(漫画では身につきません)
逆にいえば本を読まないで社会人になってしまった人の国語力(語彙力や文章力など)は、中学生レベルで止まっている可能性があります。中学生レベルの国語力で、社会で仕事をしている場面を想像してみてください。
社会人が読むべき本|本を読まないから収入が増えないし出世もしない
社会人になって数年すると、早々に出世していく人となかなか認めてもらえない人に分かれていくことに気づきます。「優秀」「仕事ができる」などと評価が分かれていくのです。もっとも根本にあるのは国語力(語彙力・文章力・読解力・要約力)の差です。「頭がいい」などと誤解している人もいますが、根本にあるのは、国語力の差です。
仕事がうまくいかなかったり、失敗をしてしまうのは、文章や言葉の意味を正確に理解できていないことに原因があることがほとんどです。言葉や文章の意味を理解していないから、求められている仕事の成果を出せないのです。あるいはわかったつもりになって失敗してしまうのです。
本を読んで国語力を高めれば、良い評価を得られるようになります。結果、出世や収入アップもするようになるのです。ですので、社会人こそ本を読むべきなのです。社会人が読むべき本を紹介しますが、後述する本以外にもどんどん読み進めることをおすすめします。言葉の意味を理解できるようになり、仕事や人生に必要な知識情報を理解することです。
7つの習慣
すでに読んでいる人も多いかもしれません。1996年に出版された古典と言っても良い本です。しかし本書に書かれている内容は、人としての原理原則が書かれていますので、年月が経過しても古くありません。また一度読んだことがあっても、時間が経過しているなら、また読んでみるべきです。自分が成長していれば、前回とは違う印象を持つかもしれません。
反応しない練習
僧侶が書いた本であり釈迦の教えが元になっていますが、宗教の本ではありません。社会人が読むべき本としてぜひお勧めします。人は、他人の目を気にして判断や行動をしていることが多いです。さらに、その行動は反射的でもあります。結果、考えずに行動を選択してしまっているのです。実は、よくよく自分を見つめてみると日々の行動の中で、反射的な行動がどれだけ多いのかという現実に気がつきます。自分自身の行動や選択、そして生き方を見つめ直すことができるきっかけになるはずです。
人は話し方が9割
数ある「9割本」の一つですが、本書は社会人が読むべき本としておすすめできる一冊です。社会人になって誰もが何度か悩むことの一つに「話し方」があります。仕事で成果を出すために、あるいは人とのコミュニケーションを円滑にするために、重要なのは「話し方」です。話し方が上手くなることは、メールや文書でメッセージを伝える場面にも応用できるスキルです。みんなと同じように話しているのに、なぜか伝えたいことがうまく伝わらないと感じている人は、ぜひ読むべきです。自分に気づきがないとしても、読むべきです。自分が思っているほどに相手に受け入れられていないことに気づくことになるかもしれません。
エッセンシャル思考
仕事をする上で重要な思考法です。仕事だけに限りませんが、物事を「重要性」と「緊急性」で分類して行動に活かすようになると、限られた時間の中で、より高い成果を生み出せるようになります。一般的には、緊急性に注目し過ぎてしまうことで限られた時間を使い分けられずに、全てが中途半端な結果しか残せず、仕事に振り回されているという人が多くいます。それは緊急性に注目するあまり全てのことが重要に思えてしまうからです。より良い成果を残して、やりがいを感じる働き方をするのには重要なことに注目する思考を持つ必要があります。時間は限られているからです。急ぎの要件に対応するシステムや仕組み化をすることで、結果は大きく改善されるのです。
20歳の自分に受けさせたい文章講座
著者は心理学の本で大ヒットとなった「嫌われる勇気」の共著者である古賀史健氏です。ライターとしての実績から本書をまとめています。社会人には「話し方」も重要ですが、文章を書く場面が非常に多く、「書くこと」はとても重要な能力です。対面では自分の意見を強くアピールできる人でも、文章にまとめることができないという人は多いです。対面で話す場合は、発声や雰囲気から熱意を持って相手に伝えることができます。しかし文字では表現されないのです。ですので「話せる」ことと「文章を書く」ことは別のことなのです。現代は文章やメールで相手に伝える場面が多く、「文章を書くのが苦手だから」と避けて通ることはできません。社会人におすすめする読むべき本です。
社会人なら読むべき小説|小説を読まないと読解力は身につかない
ビジネス書を読んでいるという人の中には、小説を読むことを単なる趣味と誤解をして、読むべき本として考えていない人がいます。しかし小説を読まないでいると、読解力や想像力やコミュニケーション力が不足したままの社会人になってしまいます。
読解力とは、単に文章を読んで内容を正確に読み取る力というだけではありません。読解力が高まると、相手が文字として表現していない意図についても理解できるようになります。相手への想像力も共に発達するようになります。活字でのコミュニケーションの割合が非常に多くなっている現代においては、読解力も想像力も重要な力です。
ビタミンF
著者は重松清さん。重松清さんの作品には、人や家族について考えさせられるテーマが多いです。本書もその中の一冊です。直樹受賞作でもある本書は、あなたの涙腺を崩壊させる可能性が大です。ぜひ自分自身に置き換えて想像し考えて読んでみてください。重松清さんの他の作品もおすすめです。
下町ロケット
映画やテレビドラマ化により、よく知られている池井戸潤氏の作品です。池井戸潤氏の作品では、企業と働く人がメインテーマになっています。本書はシリーズ化もされていますが、池井戸潤氏の各作品を掘り下げて読んでみるのもおすすめです。いずれの作品でも登場人物たちの心の動きが興味深いです。自分の周りにも同じようなシーンがあるかもしれません。
運転者
今や喜多川泰氏の代表作とも言える「運転者」も社会人が読むべき小説としておすすめできる一冊です。喜多川泰の著作には一貫している喜多川ワールドと言われる独特の世界観があると言われます。読み進めていくと、思わずメモに書き留めたくなる文章が度々登場します。それらの言葉はまるで自己啓発書を読んだ時に見つける「気づきの言葉」のようにも感じられます。何を気づくことになるのかは、これまで生きてきた人生の違いによって違いがあるかもしれません。
社会人が読むべき雑誌
社会人として知っておくべき知識情報には、業務上の関わりがあるジャンルやテーマを深く読み込む必要があります。しかし今や全てのビジネスは多様性を持っており、どんな場面で関連性があるのか予測がつかない時代ともいえます。ですので様々な分野について浅くとも広い知識もまた必要といえます。
そんな部分をカバーするにはビジネス系雑誌が役に立ちます。社会人が読むべき雑誌として、以下の雑誌を紹介します。
プレジデント
社会人なら読むべき雑誌の筆頭は「プレジデント」でしょう。社会人なら毎回目を通しておきたい内容が満載です。月に2回隔週で出版されています。またバックナンバーにも興味深い内容が掲載されています。オンラインストアから注文することが可能です。
日経ビジネス
日経ビジネスは月刊誌として誕生し、1991年から週刊化されています。購読する方法は、紙の雑誌で読む方法と電子版で読む方法があります。定期購読版では、オンラインで雑誌と電子版の購読、および併用の購読を選択することが可能です。
プレジデントと日経ビジネスはどちらにも興味深い内容が掲載されています。可能であれば両方の購読か、どちらか一方でも読んでおきたいものです。
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