念願だった大学に入学し、勉強するマインドは低下し、本を読まなくなる人は多いです。
バイトにサークル活動や友人との関係性など、時間があればやりたいことはあるのかもしれません。やりたいことや、やるべきことのリストがあると仮定するなら、10位以内に「本を読むこと」はランキングしているでしょうか。
次にお伝えすることは、受験のために読書をしていた人や、読書といえば勉強のイメージしかないに人は、ショックを受けることかもしれません。社会人として有能な存在だと評価される要素は、学歴ではなく、読書量と言語力にあります。
読書量と言いましても、単純な分量(冊数)ではなく、内容を理解し読み込んでいる量です。そして言語力は社会人としての国語力という理解で良いでしょう。言葉を使って思考し、思考したことを相手(上司や取引先)に伝える能力です。その思考のためや伝えるために、読解力・語彙力・文章力・要約力が必要になるのです。
大学生が読むべき本|読まずに社会人になると後悔
社会人として働く上で、成果を出せるか、評価されるかと考えるときに、重要なことは前述した通り「読書量と言語力」です。
読書量とは、繰り返しになりますが、単純な冊数ではなく、内容を読み込んでいる量です。
それは知識情報が多いということと、経験値(疑似体験や追体験の量)の量に関係します。人が各自持っている時間には限りがあります。
人の成長には、追体験や擬似体験による経験値が必須です。自分の経験からしか学べないのであれば、限りある人生の中で大きな成長はできません。
会社によっては、新人研修等を準備している会社もありますが、研修の内容は、2〜3日で忘れてしまいます。そもそも研修は、社員のためというよりも、会社が助成金を受け取るための必要条件として実施している会社が多いのです。
有能な人材として成長する人は、読書量を増やして経験値を高め、言語力のトレーニングをしている人です。そのためには、本を読むことが最もコスパが良い方法です。深く読むことと、実務で活用することが必要です。
会社に入ったら、仕事を教えてもらうというのは、体面上の表現であり、現実は自分で学んで成長するマインドを持っている人だけが成長します。学歴ではなく、読書量がポイントです。
社会人になって数ヶ月後、言葉を知らないこと、本を読んでこなかったことを痛感し後悔している人がたくさんいます。大学生のうちに、準備(読書)をしていると、社会人になった時にとても楽になります。
大学生が読むべき本は教養を身につける
大学生の皆さんにとって、教養を身につけることは知識だけでなく、広い視野や深い理解力を養う重要な一翼を担います。ここでは、なぜ教養が大切なのかと、教養を身につけるために読むべき本についてお話しします。
なぜ教養が大切なのか?
教養は、あらゆる分野の知識や文化、歴史、哲学などに触れることで獲得されるものです。教養を身につけることで、以下のような点が得られます。
- 多角的な視点の獲得: 異なる分野や文化に触れることで、独自の視点を持つことができます。これにより、問題解決や意思決定において幅広い視座を持つことができます。
- コミュニケーション能力の向上: 様々なトピックについて知識があると、他人との会話が豊かになります。共通の興味や知識を持つことで、人間関係を深めることができます。
- 創造性の刺激: 異なる分野のアイデアや概念を組み合わせることで、新しいアイデアや視点が生まれやすくなります。これが創造的な思考を刺激します。
- 自己成長と深みのある人生: 教養を身につけることは、自己成長のプロセスでもあります。さまざまな知識や経験を通じて、人生に深みを与えることができます。
以下は、教養を身につけるために読むべき本の例です。
教養の書(戸田山和久)
「教養の書」(戸田山和久著)は、多様な分野から選りすぐった知識を提供。歴史、文学、哲学、科学など幅広いテーマを網羅し、読者に深い洞察と視野を養う。短いエッセイ形式で、興味を引きながらも内容が詰まった一冊。知識欲を満たし、教養を広めたい人におすすめ。
多様性の科学(マシュー・サイド)
「多様性の科学(マシュー・サイド)」は、多様性の本質を科学的に解明。進化や遺伝学、心理学の観点から、なぜ人々は異なるのかを明らかにする。違いが社会や個人に与える影響や、多様性の重要性を論じる。複雑なテーマを分かりやすく解説し、偏見やステレオタイプに対する新たな理解を提供。多様性を称賛し、受け入れる力を養う一冊。社会科学や心理学への興味がある読者におすすめ。
人生を面白くする本物の教養(出口治明)
「人生を面白くする本物の教養(出口治明)」は、幅広い知識と深い思考を通じて、人生を豊かにする方法を提案。文学、歴史、哲学、科学などの要素を織り交ぜ、知的好奇心を刺激。教養を通じての幸福や洞察、価値観の形成について考察。著者の人生哲学や体験も交え、人間的な成長と意味の追求を促す一冊。知識の深化と人間関係の向上を目指す人におすすめ。
大学生が読むべき本は小説
「大学生が読むべき本は小説」という観点から、小説の読書がなぜ重要であるかについてお話ししましょう。
小説は、単なるエンターテインメントだけでなく、多くの学びや洞察を提供する素晴らしい手段です。以下にその重要性を説明します。
共感と共感力の向上: 小説は登場人物の感情や経験に共感することを通じて、人間関係やエモーショナルインテリジェンスを向上させます。他人の視点を理解する力を育む一助となります。
複雑なテーマの理解: 小説は、社会的、倫理的、哲学的なテーマを物語の中に取り入れることがあります。これにより、複雑な問題に対する洞察を深める機会が得られます。
批判的思考の養成: 登場人物の行動や選択、ストーリーの展開を分析することで、批判的思考や論理的な推論力を発展させます。
文学的表現の理解: 小説は文章表現の豊かさを提供し、美しい言葉遣いや構成を通じて言葉の力を学ぶ機会を提供します。
ストレスの軽減: 小説は非日常の世界に没入させ、現実のストレスから解放される場合があります。リラックスや気分転換にも役立ちます。
大学生は、勉強だけでなく幅広い視野を持ち、人間的な成長を遂げるためにも、小説を読むことをおすすめします。さまざまなジャンルや著者を試してみて、人生のさまざまな側面を楽しみながら学ぶことができます。
以下、大学生が読むべき小説の例です。
運転者 未来を変える過去からの使者(喜多川泰)
喜多川泰さんの小説『運転者 未来を変える過去からの使者』は、2019年に出版された小説です。主人公は、中年になってから保険の営業に転職した修一です。修一は、なかなか成績が上がらず、困窮していました。そんなある日、修一はタクシーの運転手から「未来を変える力」を手に入れます。修一は、この力を使って、自分の人生を変えようと奮闘します。
この小説は、希望と再生の物語です。修一は、多くの困難を乗り越えながら、自分の人生を切り開いていきます。この小説を読めば、きっとあなたも、自分の人生を切り開く勇気と力を得ることができるでしょう。
傲慢と善良(辻村深月)
辻村深月さんの『傲慢と善良』は、2019年に出版された小説です。
物語は、婚約者の失踪から始まります。西澤架は、同棲中の婚約者・坂庭真実が突然失踪し、彼女の行方を探し始めます。真実の失踪には、彼女の過去が関係しているようです。
架は、真実の過去を探るうちに、彼女が「善良」なだけでは生きられない社会の現実を知ります。そして、架自身も、自分の「傲慢」に気づかされます。
この小説は、現代社会における「善良」と「傲慢」の意味を問う物語です。私たちは、善良であれば良いのでしょうか。それとも、傲慢であることも必要でしょうか。この小説は、私たちにそんな問いを投げかけています。
52ヘルツのクジラたち(町田その子)
町田その子の小説『52ヘルツのクジラたち』は、2020年に出版されました。この小説は、1992年に太平洋で発見された、他のクジラとは違う周波数の鳴き声を出すクジラ「52ヘルツ」をモチーフに、孤独と愛を描いた物語です。
主人公は、52ヘルツのクジラに魅了された女性・貴瑚です。貴瑚は、52ヘルツのクジラと出会い、その孤独な歌声に心を動かされます。そして、52ヘルツのクジラと共に生きることを決意します。
貴瑚は、52ヘルツのクジラと共に、様々な困難に立ち向かいます。しかし、貴瑚は、52ヘルツのクジラに支えられ、生きる力を得ます。
この小説は、孤独と愛の物語です。孤独な貴瑚と52ヘルツのクジラは、お互いに支え合い、生きる力を得ます。この小説は、私たちに、孤独な人に手を差し伸べることの大切さを教えてくれます。
大学生が読むべき名作
「大学生が読むべき名作」についてお話しいたします。大学生にとって、名作文学は洞察力を深め、思考力を養う優れた手段です。以下に、大学生が読むべきいくつかの名作を紹介します。
「1984年」(ジョージ・オーウェル)
1984年(1984)は、ジョージ・オーウェルのディストピア小説です。1949年に出版されました。
この小説は、ビッグ・ブラザーが支配する全体主義国家オセアニアを舞台に、主人公ウィンストン・スミスの反乱を描いています。ビッグ・ブラザーは、国民の思想・行動を監視し、自由を抑圧しています。ウィンストンは、ビッグ・ブラザーに反抗し、自由を獲得しようとします。
この小説は、全体主義の恐怖を描いた傑作です。この小説は、私たちに、自由の大切さと、自由を守ることの重要性を教えてくれます。
手紙屋(喜多川泰)
手紙屋は、喜多川泰の小説です。2007年に出版されました。
主人公は、就職活動に失敗して将来に悩む大学4年生の「僕」です。そんなある日、「僕」は書斎カフェで、「手紙屋」という謎の人物と出会います。「手紙屋」は、たった10通の手紙を書いてくれたら、どんな夢でも叶えてくれるというのです。
「僕」は半信半疑ながらも、「手紙屋」に手紙を書いていきます。そして、10通の手紙を書き終えたとき、「僕」の人生は大きく変わります。
この小説は、手紙の力を通して、夢を叶えることの大切さを教えてくれます。
君の膵臓を食べたい(住野よる)
君の膵臓を食べたいは、住野よるによる日本の小説です。2015年8月19日に新潮社から刊行されました。
主人公は、高校生の僕です。僕は、病気で余命1年を宣告された山内桜良という少女と出会います。桜良は、明るく前向きな性格で、僕に生きる喜びを教えてくれます。僕は、桜良に恋をしますが、彼女は僕に自分の病気のことを隠しています。
僕と桜良は、一緒に過ごす時間の中で、お互いの想いを深めていきます。しかし、桜良の病状は悪化し、彼女は亡くなってしまいます。僕は、桜良の死を悲しみますが、彼女との思い出を胸に、生きていく決心をします。
この小説は、命の尊さや、友情の大切さを教えてくれる物語です。この小説は、多くの人に愛され、2017年には映画化もされました。
大学生が読むべき本はビジネス書
大学生が読むべき本はビジネス書です。ビジネス書には、ビジネスの成功に必要な知識やスキルが詰まっています。ビジネス書を読むことで、ビジネスの基本的な考え方や、経営戦略、マーケティング、営業、人材育成、組織マネジメント、財務分析、会計、法律など、幅広い知識を身につけることができます。また、ビジネス書を読むことで、成功した経営者の思考や行動を学ぶことができます。ビジネス書を読むことで、ビジネスの成功に必要な知識やスキルを身につけ、将来に役立てることができます。
以下に、大学生におすすめのビジネス書をいくつかご紹介します。
ファクトフルネス
副題から推測する通り、人は思い込みで物事を判断していることがとても多いです。イントロダクションに紹介されている世界のさまざまな状況についての13の質問に、果たして何問答えられるか。結果は平均で2問しか正解しない。なんとチンパンジーは33%だと紹介されています。
知識不足の状態では考えるほどに間違えるという話から始まる本書は、とても興味深いはずです。正しいと思い込んでいることが間違いで、一見不可能と思えることが実は可能なのだということに、気づくきっかけになるはずです。またタイトルからイメージする内容とは違い、とても平易な言葉で書かれていることも、ひきつけられるポイントです。知っていると思い込んでいることで、事実と違うことがいかに多いかです。
5W1H思考
5W1Hを学校で教わるのは、一般的に中学1年生です。本のタイトルは5W1Hで思考しようということです。「今更」と思うかもしれません。しかし実際のビジネスの場面では、この最もシンプルなフレームワークが一番役に立つことに気がつくはずです。最も共有しやすく、わかりやすいのです。
社会人になれば、上司と部下の間で「何が言いたいのかわからない」と叱咤激励や議論されている場面に遭遇するはずです。しかし5W1Hを持ち込んで、余分な知識情報を取り外していくと、問題や課題がすんなり見えてくることに気づきます。
7つの習慣
「7つの習慣」を始めとして幾つかの書籍は、誰に取っても読むべき本です。大学生のうちに読んで感じたことを数年後にどう感じるか、数年後にまた読んでみると良いです。視点が変わり、自分自身の成長を感じるかもしれません。
本の中には、時代(知識情報)を反映させた内容のものもたくさんあります。一方で、自己啓発本のように、何10年経っても通用してしまう内容のものもあります。つまり私達を取り巻くさまざまな環境は進化しますが、私達人間は数10年程度のスパンでは変わらないのだと気づきます。
人を動かす
「人を動かす」は、7つの習慣よりもさらに古くに書かれた書籍です。しかし書店に行けばお店によっては自己啓発本の平積みに置かれています。通常、平積みは「売れ筋」の本を置くものです。
人間関係や人の心について書かれています。今も昔も人は、褒められると嬉しいと感じるものです。そして、どんな犯罪者でも、自分が悪いとは思っていないのです。人間の自己肯定感に気付かされることになります。
20代にしておきたい17のこと
著者は本田健氏。若い頃からお金やビジネスや働き方についての本をたくさん書いている方です。優しい感じの口調で、20代の読者に向けて未来へのメッセージを書いています。
20代を応援するメッセージをまとめた本です。20代はいくらでも失敗を取り返せる年代であり、後悔をしないように、やりたいことをやるべきとエールを送っています。
あした死ぬかもよ
実は人生においての悩みはどの年代にもあることです。大学生の親なら50歳前後だと思いますが、当然悩んでいます。仏陀によれば人間は死ぬまで悩み続けるものだそうです。
「人生最後の日」に関連する本や文章やメッセージは、世の中にたくさんあります。「もう死んでしまいたい」と思う1日が、別の誰かにとっては「なんとかあと1日生きていたい」と泣きながら願う1日と同じ1日であったり、今日を人生最後の日として生きようと覚悟を決めたりなど、気負ったり、重い感じの文章が多いです。しかし本書は軽やかに具体的に考えさせてくれます。
嫌われる勇気
最後に紹介するのは、アドラーの教えについて書かれている「嫌われる勇気」です。ビジネス本として異例の超大ヒットとなりました。数十年後には「人を動かす」や「7つの習慣」のように紹介される名著になっているかもしれません。
本書は2013年に心理学者とライターさんの共著として出版されました。本の中に登場するのは、哲学者と若者の二人だけです。人間関係や人生に悩む人に向けての著書とされていますが、人によって強い反発を感じる方もいると聞きます。
一つの考え方に基づいて書かれていると理解して読むことをお勧めします。
まとめ
紹介した本は大学生が読むべき本の一部分です。本来はもっとたくさんの本を読むべきだと思います。手当たり次第に読んで、今の自分には難しいと感じたら、一旦中止して別の機会に読めば良いです。
別の本の読書に取り掛かりましょう。難しい本に何週間もかけて読んでいても、記憶はどんどん薄らいでいきます。翌日には7割忘れるからです。ただし、読むたびに復習しながら読んでいくなら、読書としては最大の効果を生み出す可能性もあります。
たくさん読書をするというのは、本の数が重要なのではなく、頻度が大事です。できるだけ毎日読むことです。良書に巡り合ったら、字面を追いかけてスラスラと読むのではなく、深く思考しながら読み込んでいくことです。
当記事のタイトルは「大学生のうちに読むべき本」ですが、社会人になっても、周りに影響されずに読書を続けることをお勧めします。
関連記事一覧
大学生が読むべき本|読まずに社会人になると後悔*当記事