読書に関する様々な調査から、毎月1冊以上の本を読む人が全体の半分ほどしかいないことが分かっています。もしかすると、本を読まないという人の中には、本を読むのが苦手という人もいるのかも知れません。
本を読んだ方がいいと思うが本を読むのが苦手という人もいますし、本を読む必要性を感じていないという人もいるでしょう。当記事では、本を読むのが苦手な人にフォーカスし掘り下げて紹介します。
本を読むか読まないかは、どちらにしても自己責任です。ただ、成功者と言われる人や自分の周りを見渡しても優秀と言われる人は読書をする人が明らかに多いことは明白です。
本を読むのが苦手な人の原因と3つの対策・読書術
本を読まないことのリスクを理解した上で、本を読まないという選択を取る人もいるのかも知れません。しかし、社会人となり、30代40代となったときの本を読む人と読まない人の差は、取り返せないほど大きなものになっています。
そこで当記事では、本を読むのが苦手という人が何故苦手になってしまったのか、原因に注目し、読書を楽しめないとしても仕事や人生に役立てるために読書術を紹介してまいります。読書を好きになるのかどうかではなく、苦手なままでも読書の効果を得る方法です。
本を読むのが苦手なのは何故なのか
苦手になるからには、そうなる原因があるはずです。一般的に、本を読むのが苦手という人の原因には以下のようなものがあります。
本を読むのが苦手な大人は読めない漢字が多い|国語力が不足
実は本を読むのが苦手な大人には、根本的なことが原因となっていることがあります。それは大人になるまで読書をしてこなかったために、国語力が低いということです。国語力とは、語彙力・読解力・文章力・要約力などがあります。
読書をする場面で影響が大きいのは、読解力と語彙力が不足していることです。大人になった時点で、国語力不足に気がつく人は多いです。この時点で大急ぎで読書に励む人もいます。
しかし読めない漢字があることを実感しているのに、スルーしてしまう人もいます。読めない漢字の問題は解決しないまま、その後何度も繰り返すことになります。しかも読めない漢字問題は対策を考えるという大掛かりなものではなく、スマホですぐにネット検索したり、漢字を調べるアプリを入れておいて、都度調べる習慣をつけることで解決します。
読書が好きな方でも、専門外の専門書を手に取ると、読めない漢字がたくさん出てきて、気勢をそがれることがあります。昔ならば、辞書を片手に、という場面ですが今はスマホを片手に数秒で調べることができる時代になりました。一番まずいのは、その場しのぎに周りの誰かに聞くことで解決しようとすることです。この方法は、最も簡単で、すぐに忘れてしまう方法です。
本を読むのが苦手な人におすすめする語彙力アップ
漢字が読めない状態とほぼ同じですが、読めても意味が分からない言葉の壁にぶつかり、読むのが嫌になるという状態です。若いうちはスルーすることもできますが、いずれ先輩という立場になったときに、「教えて下さい」と言われることもあり得ます。言葉の意味が分からないというのは、語彙がないという状態です。スマホにアプリを入れておき、暇なときに練習するだけでも覚えるものです。
前述の漢字の読み方のように、周りにいる誰かに聞くという方法は、やはりおすすめできません。その状態を続けている限り、新人社員から中堅社員となっても、覚えることができません。当然チームリーダーや管理職など責任ある役割が回ってくることはないでしょう。
本を読むのが苦手なのは集中力が続かない・飽きる・眠くなる
言葉や漢字が分からないことで、集中力が続かない場合もあります。また、部分的に調べることで意味が分かってきても、本を読む経験自体がないと、なかなか集中できない人もいます。小説を読んでる途中で飽きたり眠くなるという状態です。
そもそも興味を感じないジャンルに集中すること自体、誰にとっても難しいことです。まず、文字を読むことになれた方がいいかもしれません。マンガ以外で、自分が興味を感じるジャンルの中で、本を読んでみると良いです。最近はビジネス系のマンガもあり、役立つマンガもありますが、文字を読むことになれる方が先です。
まず、興味のあるジャンルから、読んでみると良いです。文字中心の本を選んで読んで、文字を読むことになれることです。
本を読むのが苦手なのは読むのに時間がかかるから
誰かに本を読むスピードが遅いことを指摘されたことがトラウマになって、本を読まなくなる人もいます。しかし、読書スピードは個人的な者なので、気にする必要はありません。
ただ後述しますが、自分にとって出来る範囲で速く本や文章を読むことは、脳を刺激し脳トレをしている状態になります。実は本読むことには、知識情報を得ることの他に、脳を刺激するという側面があります。
脳を刺激する読み方では音読が良いです。音読を毎日繰り返していると、脳がトレニーニングされて、頭の回転が良くなります。(科学的に証明されています)また、読むのに時間がかかるという人は、内容をじっくり理解しながら読む精読や熟読という読み方をしている可能性があります。
実は内容の理解を深めるには、熟読することは当然のことなのです。逆に脳トレに特化した読み方では、意味が理解出来なくてもとにかく速く音読するということで、脳が刺激されます。
本を読むのが苦手|病気の場合
本を読むのが苦手な人の中には、本を読めない障害があるという方もいます。識字障害や学習障害といわれます。文字が動いているように見えたり、何度も同じ文章から動けなくなったり等様々です。
簡単に乗り越えられるものではありませんが、障害を持ちながら共存し、教育者になったり、小説を書く人になったり等している人もいます。黙読は読めないが音読なら読めるという方もいます。
あるいは、ペン先や指先を文字の上を滑らせていくと、読めるようになった(筆者の場合)など様々です。個々の状態によって違いがありますので、ここで詳しく紹介することは差し控えます。
本を読むのが苦手な小学生は
一般的には全国学校図書館協議会の調査でもわかるように、小学校・中学校・高校の中で、小学生の読書率が一番高いのです。しかし小学生の中にも、本を読むのが苦手という人もいます。
原因として考えられることは複数ありますが、前述の病気や障害というケースも考えられます。そうではない場合なら、読む力自体が弱いことや集中力が続かないという原因が考えられます。例えば読む力が弱いということであれば、後述する素読の方法で改善する可能性があります。
江戸時代の寺子屋の論語のように、意味を理解せずとも暗唱するレベルまで読むことで、理解は後回しにするという方法(素読と言います)です。読解力アップは後回しにして読む力を高める方法です。身近なところでは、幼稚園等で行なっている方法です。子どもたちは言葉の意味を正確に理解していないうちに、先生の発声について行き音とリズムから読む力をアップさせて行きます。
小学生の場合であれば、学校の勉強に直接繋がらないと思われるような本であっても、自分が興味を持てる本を選んであげて、読む力を強化していく方法がおすすめです。内容の理解は後回しにしてでも、読むことが楽しくなる体験を重ねて習慣化していくことが良い方法です。
英語の本を読むのが苦手という場合
日本は島国であり、外国からの移民が少ないことでも知られています。また海外の観光客が来日した際に驚くことの一つに英語を話せる人が少ないことと言われるほど、英語を話せる人が少ない国として知られています。
海外では、母国語以外に話せる言葉を持っている人が多いのです。
しかし今後は海外からの流入が増える可能性もありますし、企業によっては仕事中は英語で話すという環境も増えつつあるようです。今後は英語の本を読めることも必要な時代に移行していくことは自然の流れといえます。
英語の本を読むのが苦手な原因は、学校の授業で英語の勉強はしているはずですが、英単語や英文法を理解していないことにあります。また単語や短文の意味は理解しても、読み物として英語に慣れていないことも、英語の本を読むことが苦手な原因と考えられます。
意味を調べながら読むことも必要ですが、日本語の素読のように、意味の理解は後回しにしてたくさんの英語の文章を読むという多読という方法がおすすめとされています。
本を読むのが苦手な人が何故本を読む必要があるのか
本を読むのが苦手でも、本は読んだ方が良いです。それは本を読んで得る知識情報は、後天的に身につくものだからです。逆に言えば、本を読まなければ、知らない言葉や物事がたくさんあることになります。
それは生きていく上でも仕事をする上で、何も手がかりが無い状態でいることになります。例えて言うなら、地図もないし旅行や旅行先の街の情報もなく、旅にでていくようなものです。どこに何があるのか、危険があるのか、安全なのかも分からないようなものです。
知らない言葉の意味を知って、使い方を知って、仕事の進め方を知って、仕事をする方が成功する可能性が高くなります。本を読むということは、手がかりとなる言葉を知り情報を知ることです。
本を読むのが苦手であったとしても、リスク対策や仕事の進め方を知るためにも、本を読んだ方が良いのです。読書の効果やメリットは、突き詰めれば、仕事がしやすくなったり、人生が楽になったりするヒントを知ることにあるのかもしれません。
本を読むのが苦手な人におすすめする対策=読書術
本を読むのが苦手な人は、前述した原因のいずれかによって、読書をしても現時点ではとても楽しめる感じはしていないはずです。ただ読書には知識や情報を得ることを楽しみと思う以外にも効果・目的があります。
それは本を考えながら読むことで考える力をつけるということと、脳トレの様に脳を鍛えて記憶力や集中力を高めるという効果目的もあるのです。紹介する2つの読書術は、読書を楽しむのではなく、トレーニングと考える方法です。
本が読むのが苦手な人におすすめするのは高速素読|大人にも効果がある
素読とは、声を出して本を読む方法ですが、音読と少し違います。
途中で分からない漢字や言葉があっても、飛ばしてノンストップで本や文章を読んでいきます。音読だと文章を意味を考えながら読みますが、素読では文章の意味の理解は後回しです。とにかく、声を出して、できれば速いスピードでドンドン読みます。
言葉の意味や読めない漢字をそのまま読んでいきますので、本の内容が理解できない部分が残った状態です。こだわるのは読書の速度です。言葉の意味を調べるのは、後回しにします。
この方法は、読む・聞く・話すという行動を同時に行うことで、脳を鍛える方法です。東北大学の川島教授によれば、子供達が素読を繰り返し、脳の前頭前野の体積が増えたことをMRIで確認したそうです。頭の回転が速くなり、記憶力も良くなったと解説しています。
脳を鍛え頭の回転を早くすることを優先した方法です。脳の血流が増え活性化することで確認されてる方法です。大人にも有効です。言葉の意味や読めない漢字は読み終わった後で調べましょう。
本を読むのが苦手なら読みやすい本を読みやすい環境で
まずは読みやすい本から始めるのがおすすめです。ページのボリュームが少なめの本や短編集でも良いです。読むことに対する苦手な気持ちを薄くしましょう。
次に読みやすい環境を整えることです。読みやすい環境とは、個人差があることですので試してみてください。静かな環境が良い方もいますし、小さいボリュームでBGMが聞こえている方が集中しやすいという人もいます。またコーヒーショップなどのように、いろいろな音が聞こえてくる環境でも集中しやすいという人もいるのです。先入観を持たずに、いくつかの場面で試してみると良いです。
本を読むのが苦手だと感じていても、繰り返すことで習慣的になってくることで、読書効果は現れてくるものです。まずは手軽に読める本を手に取り、読みやすい環境の中で試してみてください。
本を読むが苦手な人におすすめするのは並行して複数の本を読む
自分が興味のあるジャンルの本を複数選び、飽きてきたら、他の本を読むのです。
本を読むのは飽きるという方の対策です。本が変わると興味あるジャンルであれば、読み始めることができます。
この方法を繰り返すことで、読むことに特化していきます。
この方法では本の内容の理解もしながら、飽きたらやめるのではなく、他の本に切り替えることで、文字を読むという行動を止めないで続けさせるのです。
まとめ
本を読むのが苦手という人は、それでも本を読む人と読まないで過ごしている人に分かれます。
本を読むのが苦手なのに、本を読むという人は、本を読むことは楽しみではなく、必要に迫られたり勉強として読むものです。必要に迫られるとは、仕事上の必要性や、脳を鍛えるという意味での必要性です。
本を読むことは一定の条件の下で読むと、脳トレの効果があります。脳トレを繰り返していけば、頭の回転が速くなり、頭が良くなる感じがしてきます。会社の仕事でも、信頼や高評価を得られるようになります。
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