自己啓発というと書店ではビジネ書の中によくあります。社会人になって、仕事や人間関係に悩むビジネスマンがよく読んでいる印象があります。
一方では、自己啓発本は意味がないという説もあります。そういっている人が自己啓発の本を書いていたりもする。自己啓発の本を読みたい人がいるので書いている、という。
なんとも陳腐な感じですが、本当に自己啓発の本が意味ないのかあるのか、深掘りしています。
自己啓発本は意味ない本もあるが良書もある

社会人になって改めて書店で、書棚を見ていると、世の中には、ビジネス書・自己啓発本・実用書、そしてビジネスよりに書かれた心理学の本・哲学書など、様々な本があります。
それらの中で、自己啓発本という本にはどんなことが書かれているのかを改めて調べると、元々の意味は、自分の心と能力をアップさせてくれ成功するための手段について説明されている本という意味があります。
仕事の悩みや人間関係に疲れた時など、手に取る人が多いのかもしれません。
自己啓発本が意味があるのか役に立つのか
自己啓発本を読んで意味がないのかあるのかといえば、つまり読んだ人にとって役に立つと思えることが書いてあれば意味があるとなりますし、その逆ならば意味がないということになるでしょう。
役に立つのかどうなのかの基準は、結局読み手に委ねられます。しかし、残念ながら、割合で言えば、役に立たない自己啓発本が多いのは事実です。
なぜ役に立たないかと言えば、すでに同じ内容の本が過去に出版されているからです。例えば、よくありがちなのは、優秀な経営者の経営理念や生き方に関する本です。
具体的なビジネスに関係する本は、少し評価は違いますが、理念や生き方などのマインドに関する本は、その著者の最初の1〜2冊は良書は確かに良書です。しかし、そのタイトルが異なる複数の本は、タイトルと構成が少し違うだけで、内容はほぼ同じであったりします。
本の売上だけのための本としか考えられません。
自己啓発本を読む人の特徴は
人間の本質はネガティブです。ですから、どんなに成功していようと、外形的にどんなに強い人にみえていようと、ネガティブな気持ちを持っていない人はいません。
つまり悩みがない人はいません。悩みや苦しみがない人は、生まれたての赤ちゃんと修行し悟りの境地に達した僧侶くらいのものです。
悩みの乗り越え方は様々です。他のことに集中して考えないようにする人もいるでしょう。自分の意志の力で深く深く考えて戦う人もいるでしょう。自己啓発本に乗り越えるヒントを求めるのもその一つです。
悩みや苦しみを乗り越えるヒントに、自己啓発本を読むのは、全然問題のないことです。ただ、時に読みすぎる人・ハマる人がいますので注意したほうがいいです。また、読む人と読まない人の違い、ちょうど裏返しです。
自己啓発本を読む人の特徴は
・素直
・真面目
・自信がなくて影響されやすい
・勉強熱心
・経営者や上席管理職
自己啓発本を読まない人の特徴
・疑り深い
・テキトーでいい加減
・自信過剰(根拠のない自信があったり)
・勉強嫌い
・生涯雇用される側(独立起業など考えない)
自己啓発本を読まない人からは、反発を買いそうですが、筆者の40年間でたくさんの人を見てきた経験から、大きな間違いはないはずです。
生き方の違いにもつながります。
一つ興味深いことは、経営者で自己啓発本を読んだことがないという人は滅多にいません。(自己啓発本だと気づかないで読んでる社長はいます)
ビジネス書と自己啓発本の違い

自己啓発本が意味があるのは、役に立つと感じた時ことになりますが、それはどんな時なのでしょう。
実用書的な内容で書かれているビジネス書の場合、その内容は具体的で再現性が高いものです。その本から得られる学びのヒントは、読み手によって違いがあるということは、そうそうあることではありません。
しかし、自己啓発本の場合、書かれていることは、ある意味抽象的です。ですので、読み手によって得られることやヒントには違いがある場合があります。それは、読み手の基準によって判断が異なるからです。
読み手がその自己啓発本を読むことで、頭の中が整理されるヒントを得たり、「なるほど」と思えるヒントに出会うことができれば、その読み手にとっては良書であり、役に立つ、意味があることになるのだと思います。
ただ、現実にはビジネス書と自己啓発本の間に存在するような書籍もあります。そういう書籍は、書店によっては、両方のカテゴリに置いてあります。そういうタイプの書籍は、自己啓発本ではあるのに、再現性があり、実際の職場の従業員の関係性や顧客や取引先との良好な関係性を維持するために、大いに役立つビジネス書でもあります。
実用書と自己啓発本の違い
ビジネス書を実用的な内容で書かれていると前述しましたが、別に実用書というカテゴリーもあります。内容が日常生活の中によったものになりますと、実用書と言われるカテゴリーになります。
定義で分類するなら、実用書は日常生活の中で役立つ技術やノウハウなどが書かれています。自己啓発は、人生を生きていく上での指針となる事が書かれています。
ただし、自己啓発書の中には、わかり易さのために示された具体例によって、ビジネス書といわれることもあり、実用書と言われる場合もあります。現実に出版されている書籍には、カテゴリー分けが難しい本もあります。2つのカテゴリーの間に立つような書籍もたくさんあります。カテゴリーにこだわって読むのは、余計な偏見によって、良書を見逃してしまう可能性もあります。
自己啓発本には読まない方がいい本も多い
自己啓発本として販売されている7〜8割は、意味がない、読まない方がいい本のように思えます。
前述した経営者の生き方や理念に感銘を受けて、同じ著者のタイトルを探していくと、意味がない、読まない方がいい本に出会うことが多いです。
本の書き方にも色々な手法があります。最初は、自分自身で書いていたはずですが、口述した内容をライターがまとめる場合、編集者が過去のほんと僅かのインタビューから、何冊も編集し、新作として販売している事例もあります。
一人の著者に痺れて他の本を読みたい気持ちになったときは、良書の見つけ方を身につけて取捨選択すべきですね。
自己啓発本の役に立つ良書の見つけ方
本来、ビジネス書の場合などは、内容にもよりますが、通常は数ヶ月〜数年の取材があり、内容が吟味されて書かれています。読者はその数ヶ月〜数年の調査や検証・思考について1000円〜2000円のお金で、代理体験していきます。
その結果、例えば、ピーター・ドラッカー氏の最初の著書は1939年に始まりますが、その後も数多くの著書を執筆し、現在のビジネスマンや働く人全般にとって、今まだなお役立つ著書が数多いです。
しかし、自己啓発本は、理念や考え方・心の在り方など、について書かれており、過去の焼き直し的な本が多いです。特に前述したような、経営者が書いているような本の場合、すでに新しいことは、ほんの数行で、それ以外の99%が編集し直しただけの本に当たると、金を返せと言いたくなります。
ですの、著者を追って深掘りして読む時や、初めての著者の本を読むときは、目次をよく読んでみることです。
目次をよくみることが良書の見つけ方です。そして、リアル店舗であれば、その場で目次から関心のある内容があるどうかを検証し、もしあれば、その部分をさっと読んでみることです。
その結果、自分に「気づき」を与えてくれる内容が書かれていなければ、読んでも役に立つことがない意味ない本かもしれません。

自己啓発本をなぜ読むのか

ビジネス書をなぜ読むのかは、実に明快です。今現在ビジネス上でぶつかっている問題や今後起きるかもしれない問題を解決していくための具体的な方法やヒントに巡り会うことが非常に多いです。
しかし、自己啓発本の場合、理念や考え方などについての場合は、自分自身にその判断基準があり、気づきを得られるかどうかは、自分にあります。
ですから、読み手によっては、抽象的で得るものがないと感じるかもしれませんし、前述のように過去の著作の焼き直しじゃないかと、思うこともあります。
しかし、読み手にとって、乱れていた心が整理されたり、人間関係が落ち着くきっかけになる気づきがあれば、その自己啓発本は、その人の役に立ったことになります。
つまり意味がある本ということになるのです。自己啓発本がなぜ読まれ続けるかは、具体的なビジネスの役に立つというよりも、心の状態が穏やかではないときに、平静をとり戻したくて、読む人が多いのだと思います。
自己啓発本の中にはゴミのような本もあることに注意
前述のように、著者が自分で書かずに、出版社が過去の作品からの編集だけで作った本はゴミではないかという説がある一方で、そういう本が数万部売れたという事実もあります。
多くの場合、過去の著書を知らずに購入して読んでいるケースです。新たな読者にアプローチが拡大したという意味では、その本にも価値があるのでしょう。
しかし、世の中には、本の出版を自分自身のビジネスの拡大にするために、濫用している会社や個人もいます。多くの場合、本をネット販売だけで行い、その後は、しつこくメールやDMで追いかけます。
そしてセミナーやビジネス商材の販売へと連携させていくのです。書店で販売されている本が、正しい良書であるとは言い切れない部分もありますが、特に自己啓発本の場合は、この種のビジネス展開をしているものがかなりの数あります。
少なくとも、個人情報を提供しなければ、本を購入できないというシステムで販売されている本はゴミの可能性が大です。ご注意ください。

関連記事
コメント