本を読まない人の割合は|その理由

本を読まない人

「最近の若者は本を読まない」「活字離れ」などの言葉はいつ頃から聞くようになったでしょう。

そう言っている人たちは、50代か60代、あるいはもっと上の世代?

実際調べるとわかることですが、本を読まない人の割合=不読率は、2004年・2007年あたりを最下点として2020年・2021年は確かに増えています。

目次

本を読まない人の割合は|その理由

本 読まない人 (1)

本を読まない人の割合は確かに過去20年ほどに注目すると増加中です。

しかし、それよりも前は本を読まない人の割合は、もっと多かったこともある。

本を読まない人の割合は増加?

参照したデータは、学校読書調査文化庁の国語に関する世論調査・研究論文「大人も本を読まなくなったのか:1979年と2016年の調査(読書・公共図書館に関する世論調査)の結果」・文部科学省の子供の読書活動に関する現状と論点(資料4)です。

以上のデータを比較して総合的に判断すると、2004年・2007年頃に本を読まない人の割合は最も少なく、その後は現在に至るまで少しずつ増えています。

1979年の調査結果(内閣官房による読書・公共図書館に関する世論調査)によれば、本を読まない人の割合(不読率)は、2016年の調査よりも高いです。(サンプル数は1979年が3,000名、2016年が4,000名)

1979年の本を読まない人の割合は面接調査で42.1%、2016年はネット調査で23.8%、面接調査で35.9%です。

さらに文化庁の国語に関する世論調査とのデータ(サンプル数1,960人)に差異(平成30年の本を読まない人の割合は47.3%)もあり、概ね本を読まない人の割合は40%前後と考えられます。

本を読まない人の割合は、調査対象とする期間や対象数(サンプル数)によっても違いがあります。過去20年ほどの期間に注目すれば、確かに増加しています。

しかし、それ以前も含めてみると、本を読まない人の割合には大きな変化はないとも見えます。

本を読まない人が最近増えてる理由は

本を読まない人が増えているのは、SNSとスマホの普及に原因があるのではないか、と言われています。これは本当なんでしょうか。

若者は本を読まない問題の原因とされているアップルのiPhoneは、2007年にアメリカ発売開始し、日本で2008年から販売開始されました。2009年にはスマホの7割がiPhoneでした。

SNSの代表のツイッターが2008年に日本上陸、Facebookも日本上陸は2008年でした。インスタグラムは2014年に日本語対応となります。

さらに世界に目を向けると、先進国の中で、日本のスマホの普及率は、2018年現在13位(66%)です。例えば、アメリカは81%、イタリア71%、イギリス76%、韓国95%です。しかし、読書率は韓国以外は、遥かに高いです。

2017年のGfKジャパンの調査によれば、日本の読書率は63%、先進国では15位です。アメリカ・イタリア・イギリスは、70%を超えています。本を読まない人の割合で考えると、日本は37%で、アメリカ・イタリア・イギリスは25〜29%という数値になります。

本を読まない人の理由

本を読まない人が「なぜ読まないのか」についての調査には信頼を置けるデータが少ないです。

当記事が参照したのは、「文部科学省の子供の読書家駆動に関する現状と論点」です。

全国学校図書館協議会のデータでもわかるのですが、実は小学生と中学生の読書量は、2000年以降概ね増加傾向を示しています。また本を読まない人の割合は、小学生・中学生・高校生とも2000年以降は減少し、過去15年は横ばいを続けています。

ただし高校生は、本を読まない人の割合は横ばい傾向ながら、少しずつ増えている年度もあることと、読書量が小学生・中学生と比べると圧倒的に少ないのです。

ですので、高校生が本を読まない理由について注目してみます。

高校生が本を読まない理由で最も多いのが「他の活動等で時間がなかったから」です。つまり、高校生にとっては、本を読むことの優先順位が下がったことが分かります。

過去15年ほどの期間に限定すれば、高校生の読書の優先順位が下がった理由は、SNSにあるのかもしれません。

本を読まない人の特徴

本 読まない人 (2)

本を読まない人には特徴があります。

ただ先に言っておきますと物事の価値観は、個人に特有のものです。ですので、その特徴を持って、幸せか不幸かと言えるものではありません。

当記事で紹介するのは、本を読まない人が持つ物理的な特徴です。

本を読まない人は語彙力がない|言葉を知らない・知らない言葉が多い

人は、新しい言葉をインプット(本や文章を読むこと)することで、覚えていきます。本や文章を読んで、知らない言葉に出会い、調べて覚えていくものです。

もう一つ言葉を覚える場面は、口頭で言われ(仕事の指示をうけるなど)たり、誰かが話しているのを聞く場面がありますが、これは恥をかきながら覚える方法ですので、本を読んで覚えるほうが楽です。

学生時代には、自分の周りには、同じように言葉を知らない人がたくさんいるかも知れませんが、社会人になると、その言葉を知らないのは自分だけという状況が起きてしまいます。

本を読まない人は会話をすればわかる|教養不足を感じる

本を読まない人なんだなとすぐに気づくのは、会話をした時です。会話の中に出てくる言葉がワンパターンですので語彙力がないのかもしれしないと感じます。

また会話の中に、年齢や職位からして知ってるはずの言葉を混ぜてみると、表情で理解してないことがわかります。やはり語彙力がないこと・教養不足が分かります。

いつも同じ職場の人とばかりいると、使われる言葉が固定的になっていきますので、気づきにくいかもしれません。自分から意識的に成長しようと思わないと成長できない環境です。なおのこと、本を読んで年齢なりの知識情報や教養を知る必要があります。いずれ恥を書く場面がやってきます。

本を読まない人は考えが浅い|薄っぺらいので恋愛が難しいかもしれません

本を読まない人は、文章を読んで理解することが苦手です。

じつは、読解力は文章に限らないので、相手のいうことに対しての理解も不足することが多いです。また、言葉の表面的な意味しか考えない傾向があります。

人間にははっきりと言葉にしていないが、何かを伝えていること・発信していることがありますが、読解力不足の人は、そこまでは考えません。言葉を額面通りにしか理解しません。

なぜなら相手の言葉の背景を想像したり、相手の気持ちに思いを寄せてみるということができないからです。それらが原因で、本を読まない人は相手から思慮が浅い人・薄っぺらい人・自分軸でしか考えない人と見られる傾向があります。

本を読まない人は、おそらく恋愛の場面では自分軸で自分の気持ちが優先となり、なかなか難しいかもしれません。相手の気持ちを考える・思いやる・言葉になっていない言葉があるのかもしれないなどということに気づけないと、難しいです。

本を読まない人は文章力がない

語彙力にも関係しますが、相手に伝えたいことを、相手にわかるように言葉を組み立てて文章にすることが苦手です。

感情や感覚で、気になったこと・思いついたことから、発言してしまいます。文章や手紙・メールでも同じ傾向になります。本を読まない人は、相手の立場や気持ちを考えることがないと言えば、お叱りを受けそうですが、実際にはないです。

言いたいことの順番や流れよりも、強く気になったことなどのほうが優先されて、発信してしまいます。相手にとっては、結局言いたいことは、なんだろうということになってしまいます。

本を読まない人は要約力がない|言葉や文章を整理したりまとめたりするのが苦手

文章力に関係しますが、ある程度大事なこと・非常に大事なことを見分けるのが苦手なため、要点をまとめる文章を書いたり、発言したりすることが苦手です。

特に社会人になると、報告をしたり意見を発信する場面で、「要点を言う」必要があります。しかし重要度の見分けがつかないために、何でも話してしまいますし、メールや文章にも書いてしまいます。

その結果、相手からは「それで、結局はどういうことなの」と言われてしまいます。

本を読まない人の特徴は他にも

その他にも、本を読まない人の特徴として言われることには下記のようなことがあります。あくまでも本を読む人との比較した場合の特徴です。

・知らない物事が多い
・知的好奇心が少ない
・人からの評価に気がつかない(気にはしています)
・物事を整理して考えるのは苦手

本を読まない人におすすめを紹介するなら小説

本を読まない人は、読まなくても大丈夫と考えてる人が多いです。しかし何か変わるきっかけがあって、当記事を読んでるとするならば、おすすめする本は小説です。

言葉の背景や気持ちを想像して追体験できる小説がおすすです。

次の2冊を紹介します。人の心や言葉の背景を考えながら読むことをお勧めします。

まとめ

本を読まない人の割合は、実は世間で言われる増えているわけではありません。過去20年に限定すると増えていますが、それより以前は、もっと多い時代があったのです。

それよりも気になるのは、世界との違いです。SNSもスマホの普及も海外の先進国のほうが進んでいます。そういう背景があるのに、アメリカにしてもヨーロッパ諸国にしても、本を読まない人の割合は日本よりも少ないことが気になります。

また本を読まない人は、社会人になってから困ることが多いです。もし、いま本を読まない人でいるのなら、苦労する場面が増える可能性があります。

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